![]() ↑ナメコ/去年12月13日/妙高にて この写真の山に2週間前に行ってきた。好天でカエデやナラの紅葉が満開。 不思議なことに、ひとの採り跡がまったくない手付かずの状態。3年ほど前から次第にヒトが増えてきているので今年はまたさらに他人の後塵を拝するのかと半ば観念していたのだが。 ところが、まさに「無人の野を行く」といううれしい山行きになった。ナメコの立木があっちにもこっちにもの楽しくもにぎやかな花盛り。 私は右手の山をぐるりとひと回りして打ち合わせた2時間ほどで満足して車にもどり、左手に入った相棒はタイムオーバーの3時間後に「欲張り爺さんの大つづら」をしょって両手に袋をぶら下げてえっちらおっちらと乞食の引越しみたいにして下りてきた。 正直爺さんの私(?)はそんな相棒が家でつづらを開けたらヘビやオバケが飛びだせばいいななどと言ってやるのだがいち度もそういう教訓的出来事は起きていないようだ(当たり前だけど)。相棒の欲深と執念と体力にまたまたあきれた。 お互い開口いちばん「なんで誰も来てないんだろう」と顔を見合わせるが理由がわからない。わからないが、とてもいいことだ。他人の採り跡は非情にもむごたらしい光景で見るのもつらいが自分の採り跡は美しくもやさしくも痛快きわまりない光景だ。 しかし、枯木も古くなってきていて、発生量は来年再来年と急降下していく見通し。「ナラ枯れ被害」は東進していき、いまや長野県や福島県にまで波及しているらしい。去年も一昨年も長野県境にちかい信濃川ぞいの山肌いちめんが赤茶けたナラが緑とのまだら模様をなしている不自然な光景を見た。このまま太平洋ちかくまでじわじわと押し寄せていくのだろうか。 森林としてみれば痛ましいような「被害」だがきのこ事情としてみれば有難い「恵み」でもある。でも、晩秋から冬の気候が乾燥している地域では発生はしてもうまく育つかどうか。根元や倒木ならまだしも立木(ほとんどがこれ)の場合はかなりきびしいだろうと思える。晩秋からは湿潤な当地方でも好天が続くときもあり、そんな場合は干乾びてこじれてしまうものもあるから。 今年の山行きはこれまでの半分くらいかな。 栽培方面に手間が移ってきたのと山行きへの情熱のようなものが薄れてきたのが原因で、40歳からはじめて以来20年間すっと続けてきた写真が今年はただの1枚も撮らないという事態になった。 《 山行きに関して 》 @山行きと写真は、ほぼ「やりたいこと」は、やりつくした。 この5年ほどは惰性でやっている部分もかなりあった。「なにか新しいものを」と思っても見つからない。 世間には「定年」というものがあるが、そんな境遇と心境に支配される年齢になった。 本業が今年はなお低迷して経費削減を余儀なくされた。フィルム代・現像代・ガソリン代も例外ではなくなっていまひとつ元気が出ない。 Aフィルムを現像に出したり取りにいったりの問題。 田舎なもので昼までに現像に出して翌々日の3時すぎに受けとりに行くのだが(都市部だと当日らしい)、どうもそれが煩わしくなってきた。スキャナで写真を取り込むのも。 デジカメにすればいいのだが、そのお金がないのとデジタル写真というものに未だに抵抗感があるために(スキャナで取り込んだのはデジタルになっているのに)切り替えができないでいる。古いね。 《 栽培に関して 》 @ギョウジャニンニク 妙高でタダで畑をかりて畝をつくりタネを蒔いたのが去年の夏。今年の春に芽がでたが覆土が少なすぎて発芽率が非常に低かった。この夏はそれを踏まえてまたタネを蒔いた。11月頭にすこしほじくって様子をみたら「いいぞいいぞ」の発芽率(土中で芽を出している)。来春はびっしりと新芽が立ち上がるはず。 ただし、収穫適期となる茎の太さが割り箸1本の先端くらいの太さになるまでに5年くらいかかる。 雑草防除と肥料投与が今後の課題。 Aマイタケ マニュアル書では玉切った原木を煮るが蒸すかして殺菌してから接種するが、この加熱殺菌に時間がかかる。この工程をなくして、つまり「非加熱」で接種培養するのが目標。 この試行錯誤がけっこうおもしろい。非加熱では不可能とされているから、かえって意欲がわく。 マイタケの原木栽培を手がけたひとなら加熱でもカビにやられるものもあるので非加熱なんて不可能でカビだらけになるはずと実感していると思う。 マイタケ菌を培養しているとわかるが培養初期には雑菌に非常に弱い。シイタケやナメコのようにナマ木に種駒を打ちこんでうまくいくのとはわけが違う。こんなに初期が弱い菌が天然ではどうして無事に繁殖していけるのかが不思議に思える。 こんなふうに、余計なことを考えたりごそごそと試作したりしているものだから「出なかったぞ」という苦情なんかがあったりして順調には捗っていないのが実情。妙高ではせっかく出た芽をサルがきて引きちぎるというイタズラや乾燥のためにきちんと成長しないといった障害もあった。問題山積といったところ。 Bハナビラタケ これも原木での試作で来春か秋に発生するかどうか期待と不安。 夏に埋設した原木の菌糸がハナビラタケと同じクリーム色をしているので、菌がうまくまわったとみなしているが、どうなるか。 この菌糸は低温でも意外にしっかり成長することがわかった(まだ発生はしてないので本菌かどうかはまだ不明だが)。マイタケ菌は低温ではほとんど活動停止といった様子。 天然では同じ場所から春と秋の2回発生するものがあるので、その理由をナットク。マイタケは年1回で、きのこを見たところではハナビラタケの方が繊細でよわい感じがしてマイタケは大胆で強そうだが、実際はハナビラタケの方が成長適温範囲がひろくて威勢がいいのだなということがわかってきた。冬の低温期にも菌糸は成長していて春にもきのこを出すことができるようだ。 Cハタケシメジ 2年前はどこでどう取り違えたか発生したらヒラタケだったという大バカをやってしまった。 培養途中からヘンだなという観察が不幸にも的中したわけ。 で、今年またやり直し。 ――と、まあ、ざっとこんなありさまです。 こんなで、このホームページをこれからどう運営していこうかなどと愚考しているうちにズルズルとほったらかしになってしまったわけです。さらにもうすこし愚考にひたっていたい気分です。 よろしく――。 |