ご挨拶
新潟県山岳協会のホームページに御来訪いただきまして,ありがとうございます。
当協会は,発足以来64年の月日が流れました(昭和22年6月28日結成)。
地球,宇宙サイクルでは流れ星が流れる程度の時間かも知れません。しかし,その時間は,
輝いて必死に山に打ち込んでいただいた大勢の先輩方の血の出るような汗と情熱が後輩に
つながった証であります。その短い時間の中で,瞬間でも悔いなき情熱を燃え尽きれたら,
それも又素敵なことではないでしょうか。
新潟県は,日本海に面するだけで300キロに及び,その県境たるや,北から山形,福島,
群馬,長野及び富山の5県と接し,多くの山のピークが県境となっています。その距離は
646キロメートルにもなります。その恐ろしい道なき県境を昭和41年新潟県内岳人の総力と
情熱で完全踏破されました。
なぜ恐ろしいかと言いますと,日本海からの季節風は,半年間,新潟独特の重い雪とともに容赦
なく吹き続けます。全ての木という木が上に伸びれず,その暴風雪によって押しひしゃがれて
横へ下へと伸び,その藪たるや想像を絶する形状をなし,一歩踏み込んだ足は引き抜こうと,
もがけばもがくほど深みにはまり,アクロバテックな体位でしか抜け出すことができないのです。
これは体験した者しか理解できない世界でありまして,そのグレードは6級と思われます。熟練者
のみに通過を許される稜線です。
山形,福島,新潟,群馬,長野及び富山のこの藪だけをこよなく愛すグループがあるほどマニアックな
世界であります。また,その豊富な雪により年間を通し,ブナ林,池塘,かわいいお花畑をたくさん
形成してくれています。高山植物の豊富さは,この豊富な雪の贈り物でもあります。
富山県境で,天下の険といわれる親不知からせり上がる白鳥山,犬ヶ岳及び白馬岳へ続く栂海新道から
県境が始まり,途中の素晴らしい黒岩平の池塘群と高山植物の百花繚乱。この日本海から白馬岳に続く
栂海新道は,地元の山岳会である「さわがに山岳会」の約50年間にわたる登山道開拓と整備のたまもの
であります。
雨飾山から,名峰妙高山の隣の乙妻,高妻山を経て,斑尾山から信越トレイルの鍋倉山,天水山と続きます。
信濃川に一旦降りると秋山郷を超え苗場山に上がり白砂山,佐武流山,三国峠,谷川連峰に入ります。
巻機山,越後三山である中の岳手前の丹後山より,池塘の山平が岳,尾瀬が原,東電小屋,奥只見ダムから
未丈ヶ岳,浅草岳及び八十里越えから,私の愛して止まない御神楽岳へと登ります。
阿賀野川を越えるといよいよ新潟の誇る飯豊連峰。自然の豊かさの塊のようなお花畑とブナ林が訪れる人を
迎えてくれます。荒川を超え針生平から朝日連峰がはじまります。飯豊連峰とは,また一味違う趣で迎えて
くれます。以東岳から化穴山,雷峠から555メートルの日本国山を最後に鼠ヶ関で,また日本海となります。
この600キロを超える県境が新潟の山の全てではありません。佐渡の山から弥彦,角田山,春の雪割草,
カタクリの花は,見る人の心を豊にしてくれます。どうか新潟の自然に是非ふれてください。心よりお待ち
申し上げています。
新潟県山岳協会 会長 阿部信一
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