第17話


「さて・・・、どこに行こうか?」

クルクが3人に呼びかける。

「そうだな・・・。」

コウが答えた。ただし、そこから先は出てこない。
どこへ行けばいいのか思いつかないのだ。

「ライ、どうするの?」

フィーナがライに聞く。

「あては全く無いけど・・・、今僕がやりたいことはある。」
「・・・何だ?」

次に訊ねたのは、クルク。

「まずは、エレメントについて調べたい。
クルクは直接見ていないけど、僕らはエレメントそのものとも言えるものを見た事がある。」

「エレメント・・・そのもの?」

怪訝な顔をするクルク。

「僕らが戦っていた屍水魔団の団長・・・シェリルが禁呪の使用に失敗して、
魔力が暴走したときに現れたんだ・・・。青い、光のような。」
「・・・それで、どうなったんだ?」

クルクが続きを促す。
次に話し出したのは、フィーナ。

「その光のようなものは、シェリルの魔力を・・・エレメントを吸い尽くして消えた。
もちろん、シェリルは死んじゃった・・・。」

「・・・つまり、ライはその正体を知りたいんだな?」

と、クルク。

「そう、それが1つ。で、もう1つやりたいことはあるんだ。」
「・・・黒ずくめの男について・・・じゃないのか?」

コウが言う。

「その通りだよ、コウ。」
「黒ずくめの男?」

今度はフィーナが訊ねる。

「これは僕らが旅に出る前の話なんだけど、
僕の住んでいた村が焼かれそうになったことがあるんだ。」

ライの話に、フィーナとクルクは聞き入っている。

「そのとき、僕とコウは、犯人であろう黒ずくめの男を見つけた。
その男は、僕が「雷」のエレメントを持ってるって知っていたんだ。
それまで、僕自身も知らなかったのに・・・。」

「そして、その男との戦いの中で、「雷」のエレメントは目覚めた。
そのとき僕が無意識のうちに使った魔法が、ブルー・プラズマだったんだ。」
「ふうん・・・って、じゃあライは「雷」のエレメントを持ってるのか?」

驚きの声をあげるクルク。

「・・・ああ、そうだけど・・・?」
「雷魔法、見てみたいな・・・ちょっと使ってみてくれよ。」





「・・・いやだ。」




「・・・へ?」
「簡単に、この魔法・・・いや、この力を使いたくないんだ・・・。」

ライは、拳を握り締めながら言った。

「・・・何か、因縁でもあるのか?」

クルクが聞く。

「・・・無い。でも、これは簡単に人を殺す力を持っている・・・。」

少し間を置くライ。

「それに、僕が関っている人が既に1人死んでるんだ・・・。」

「・・・」

沈黙する一同。
それを破ったのは、フィーナだった。

「でも、姉さんは絶対ライを恨んでなんかいないよ。」
「・・・そうだな。特に「雷」の力が関係しているわけでもないんだ。」

フィーナに続いて、コウも言う。

「そう・・・だね。」

ライの顔が、穏やかになった。

「じゃあとりあえず、話を戻すよ。これはあくまで推測なんだけど・・・。」

ライの声のトーンが、低くなった。

「黒ずくめの男と、エレメント・・・何か、関係があるんじゃないのか・・・って思うんだ。」
「・・・どういうことなんだ?」

クルクが疑問を投げかける。

「・・・わからない・・・。」

ライは下を向き、そう答えただけだった。

「あ、村だよ。」

先頭を歩いていたフィーナが言う。

「ライ、ここで悩んでてもしょうがない・・・。行くぞ。」

コウも、村へ歩き出している。
その後をライ、クルクが続いた。




















「・・・どういうこと・・・?」

フィーナが呟く。無理も無かった。
村の中を歩いている人・・・村民とおぼしき人物がいなかったのだ。

「ここは、ゴーストタウンか・・・?」

呆れたような口調でコウが言う。
すると、そこに割り込んでくる言葉があった。

「そんな訳ない。俺は数日前にここを訪れているんだぞ。」

クルクだった。

「じゃあ、その数日の間に・・・何か・・・。」

と、ライはそこまで言ったところで殺気を感じた。
他の3人も臨戦体勢になる。

「・・・出て来たらどうだ。」

押し殺した口調でライが言う。
物陰から、黒ずくめの男が1人現れた。

「お前は、あいつと同じ・・・!」

そう、その男はライの村を襲った男と同じ要望だった。

「言え!お前らは一体何者なんだ!」

ライの叫びに、男は答えない。
短剣を持ち、魔法の詠唱を始めた。

「・・・!!みんな、俺の後ろに下がれ。」
「何故?」
「早く!」

コウは3人を自分の後ろに下げると、自分も魔法を詠唱し始めた。
そして、男は、はっきりと言った。

「死ね。雷使い。」

すぐ後に、2人の詠唱がほぼ同時に終わった。

「ダーク・プロージヴ!」「ホワイト・ロザリオ!」

黒い爆発が起こる。
闇は、光の十字架を避けるように撒き散らされた。

「・・・みんな、無事か?」
「ああ、なんとか・・・な。」
「・・・一体、何なの?」

コウの問いかけに、フィーナ、クルクが答えた。
しかし、ライだけはあさっての方向を向いている。

「どうした?ライ。」

コウが声をかける。

「コウ、教えてくれ・・・。」












「どうして、僕は狙われなきゃならないんだ・・・?」




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