第17話


「どうして、襲われなければならないか、か・・・。」

ゆっくりと、コウが言う。

「そんなもの、そこの奴らに聞けばいいだろう?」

ライははっとしてあたりを見回した。
コウ、スフィア、クルク以外に人気はない。
あったのは・・・殺気。

「まだ、いるのか・・・!?」

その声に反応してか、先程と同じ容貌の男がかなりの数現れた。

『・・・殺せ・・・雷使いを殺せ・・・。』

その男達は口々に、しかも無機質にそう言い続けている。

「・・・こいつら・・・正気じゃないな・・・。」

クルクが呟く。
確かに、男たちの顔に生気がない。

「何かに洗脳されてるとでも・・・?」

ライが答える。
そう言っている間にも、男たちは魔法の詠唱を始めている。

「とにかく今はここを何とかしよう。そうしないと先なんてないよ!」

フィーナはそう叫びながら、槍から炎を迸らせている。

「そうだな・・・ライト・アロー!」

コウはその声に答えて、すかさず唱えていた魔法を放った。
光の矢が、黒ずくめの1人を、大きく弾き飛ばす。

「ま、それもそうか・・・せやっ!」

クルクも悟ったらしく、別の黒ずくめを掌底の1撃で沈黙させる。
しかし、ライだけは未だに剣さえ抜いていない。

「ライ!しっかりしろ!」

コウが叫ぶ。

「・・・コウ・・・僕は、どうしたらいいんだよ・・・!」

弱々しい声で訊ねるライ。
コウの答えは、すぐに返ってきた。






「その答えを見つけるのがこの旅の目的だろう・・・忘れるには速すぎるぞ。」
















「・・・そう、だったな。」

ライは、剣を抜いた。

「1人位捕まえて、知っていることを全て話してもらおう!」

そう言って魔法詠唱を始めるライ。
それに気付いた黒ずくめたちも襲いかかるが、魔法の方が早かった。

「スパーク・チェイン!」

電撃の鎖が、黒ずくめたちを気絶させる。

「雷魔法・・・!」

クルクが驚嘆のまなざしを向ける。

「でぁぁっ!」

ライは、剣を振りかぶり、黒ずくめたちの中へ突進した。
その突然の行動に、黒ずくめたちは一瞬対処が遅れた。

1撃を叩き込むライ。ただし、剣の腹の部分で。
また一人、黒ずくめが昏倒した。

「ライ、きりが無い。何とかして片付けられないか!?」

「・・・わかった。みんな、ちょっと離れてて。」

ライは1歩前に立ち、魔法詠唱を始める。
その詠唱はすくに終わった。

「ウォーター・ウィップ!」

ライは水の鞭を、空へ向かって撃ちだした。
その様子を見た黒ずくめたちは、ライに襲い掛かる。

ライは、水の鞭の制御を止めた。
そして、違う魔法を詠唱する。

その詠唱が終わった頃、空から水が落ちてきて、黒ずくめたちを襲った。
ライを切り裂こうとしていた黒ずくめたちは、その衝撃をまともに受ける。
そして、ライの魔法はその瞬間に放たれた。

「スパーク・チェイン!」

再び現れた電撃の鎖が黒ずくめたちを襲う。
水を伝わり、電撃は全ての黒ずくめたちに襲い掛かる。
その黒ずくめたちは、声も無く倒れ伏した。






























「で、捕虜を作ったところでどうなるんだ?」

コウが少し冷たい目で見る。

「何か聞き出せないかな、と思ったんだけど・・・洗脳されてたんだっけ。」
「洗脳ってはっきり決まったわけじゃあないぞ。」

ライの答えに、クルクが補足する。

因みに、捕虜となっている男はライによって後ろ手に縛られている。
もっとも、意識は戻ってないのだが。

「とりあえず、この村をちょっと調べてみない?」

提案したのはフィーナ。

「そうしようか。何か無い訳が無いだろうし。」

そのライの声で、4人は村の各地へと散っていった。
















酒場と思しきところ。
ここにいるのはクルク。

「しっかし・・・この村の人たちは一体どうなったんだ・・・?」

などと言いながら、戸棚の裏や壁、床に至るまでを調べている。

「・・・無い、な・・・次行くか。」

そう言って立ち上がったとき、靴を鳴らす音が何かおかしいことにクルクは気付いた。

「・・・?何だ?」

どうやら、1部分の床の下は空洞になっているようだった。
クルクが床板を外すと、そこには階段があった。それと同時に、微かな人の声も聞こえる。

「・・・とりあえず、ライたちを呼んできた方がいいな・・・。」


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