「この階段・・・どこまで続いてるんだ?」
と言ったのはコウ。
ライたちは、クルクが見つけた地下への階段を下っていた。
「どこまで続いているか・・・それに、どこに通じているか・・・だな。」
そう返したのはクルクだ。
「先がある限りは進もうよ。とりあえずさ。」
フィーナも言う。
ライは、あまり喋ろうとしていない。
「(この奥に行けば、僕を狙っている奴らの目的が解るかも・・・。)」
そんなことを考えていた。
その後しばらくは誰も言葉を発することは無かった。
「ここは・・・。」
誰ともなしに呟く。
降りて来た所は、半分は自然の岩壁のままだが、半分は人工の壁で出来ていた。
「見張りはいないようだな。探ってみよう。」
コウの言葉で、4人は歩き出した。
いくつかの部屋を探ろうとするが、どれも鍵が掛かっている。
そんな中、1つの大きな扉に差し掛かった。
「どうやらこの奥は大広間みたいだけど・・・行ってみる?」
ライの言葉に、3人は頷く。
ライは扉を開ける。鍵は掛かっていなかった。
「い・・・一体何を・・・!?」
後から入ってきたフィーナが驚愕の声をあげた。
そこにいたのは、多くの女性。その中心に、黒い頭巾をかぶった男。
「・・・・宗教か何かか・・・?」
コウも怪訝な声を上げる。
「・・・気になる。けど、ここは先に進まないか?」
提案者はライだ。
「・・・そうだね。ここでこうやってても何も無いだろうし。」
「流石にあそこに突っ込むことは出来ないからな。」
「・・・じゃあ、ここは後回し・・・っと。」
4人は、もう少し先を探ることにした。
「・・・ねぇ、何か聞こえない?」
フィーナが立ち止まった。
「・・・これは・・・何かを叩く音・・・?」
「それに、誰かが話す声・・・微かに、もう1つ声が聞こえるな・・・。」
コウ、クルクが意見を並べる。
そのとき、ライは1つの部屋を見つめていた。
「この部屋からだ。・・・開けるぞ。」
ライは扉を開ける。
「な、何だ貴様ら!?」
そこにいたのは、鞭を持った1人の男。
「!・・・この部屋は・・・。お前・・・何をやっているんだ!」
ライの怒号が飛ぶ。後から入ってきたコウが部屋を見渡す。
この部屋は拷問部屋らしく、所狭しと拷問の用具が置いてあった。
そして、その部屋の壁には1人の少女が鎖に繋がれていた。傷だらけだ。
「決まってんだろ。こいつが抵抗するから、ちょっといたぶってやってるのさ。ほうらっ!」
パシィッ!
男が振るう鞭が、少女の腕に新たにミミズ腫れを作った。
少女から声はしない。気絶してしまっているようだ。
「やめろ!・・・マジック・ボール!」
ライの魔力球が、男の鞭を持つ手に命中する。鞭は床へと落ちた。
「このガキ!」
男は腰に着けていた剣を抜き、斬りかかった。しかし。
「エビル・シュート!」
いつのまにか回り込んでいたクルクの魔法が、男の剣を砕いた。
そこへライの峰打ち。男は昏倒した。
「大丈夫?」
フィーナが少女に話し掛ける。
男を昏倒させてから数分後に、彼女は目覚めている。
年齢はライとコウの2人と同じくらい。緑髪に紅い眼。
「え、ええ・・・。ありがとう・・・。・・・あなたたちは・・・?」
ライたちを見回す少女。
ライたちは、ごく簡単に自己紹介を済ませた。
その後で、少女は話し始めた。
「・・・私は、シフリアといいます。この街に住んでいたんですが・・・。
数日前に、あの黒ずくめ達がやってきたんです。あいつらは、街の人たちに催眠術をかけたんです。」
「催眠術?」
クルクが聞き返す。
「はい。魔法によるものかもしれません。それで、男性は兵に連れて行かれ、女性はいつまでも祈りを捧げて・・・。」
「そうだ、あいつらはここで一体何をやっているのか解るかい?」
と、シフリアの言葉を聞いて今度はライが訊ねる。
「・・・すいません、詳しくは・・・。でも、何人かは催眠にかからなかった人もいます。
その人たちが今どこでどうしているのか・・・。私みたいな目に遭ってないといいんですが・・。」
シフリアはよほど心配しているようだ。その証拠に、声が少し震えている。
「・・・さっきの大部屋へ戻るぞ。あそこの様子をもう1度確認する。」
コウが言った。
「そうだね。私もちょっと気になってたんだ・・・。」
フィーナがまず賛成する。
ライ、クルクも反対しなかった。
「・・・あの・・・、私も連れて行ってはくれませんか?」
シフリアがおずおずと口を開く。
「・・・大丈夫なのかい?」
ライが心配そうに訊く。
「ええ、コウさんの魔法で傷も癒えましたし・・・。
それに、私の杖さえあれば私も魔法は使えます。あそこに落ちてる・・・。」
シフリアは立ち上がると、落ちていた杖を拾った。
「・・・お願いします。私も連れて行ってください。助けてくれた恩返しもしたいですし・・・。」
深々と頭を下げるシフリア。
「・・・解ったよ。じゃあ一緒に行こう。よろしく、シフリア。」
「はい、こちらこそよろしくお願いします!」
ライの言葉に、嬉々とするシフリア。
もちろん他の3人も反対しない。
こうして、また新たな仲間がライ達に加わった。