第19話


「この階段・・・どこまで続いてるんだ?」

と言ったのはコウ。
ライたちは、クルクが見つけた地下への階段を下っていた。

「どこまで続いているか・・・それに、どこに通じているか・・・だな。」

そう返したのはクルクだ。

「先がある限りは進もうよ。とりあえずさ。」

フィーナも言う。
ライは、あまり喋ろうとしていない。

「(この奥に行けば、僕を狙っている奴らの目的が解るかも・・・。)」

そんなことを考えていた。



その後しばらくは誰も言葉を発することは無かった。










「ここは・・・。」

誰ともなしに呟く。
降りて来た所は、半分は自然の岩壁のままだが、半分は人工の壁で出来ていた。

「見張りはいないようだな。探ってみよう。」

コウの言葉で、4人は歩き出した。
いくつかの部屋を探ろうとするが、どれも鍵が掛かっている。
そんな中、1つの大きな扉に差し掛かった。

「どうやらこの奥は大広間みたいだけど・・・行ってみる?」

ライの言葉に、3人は頷く。
ライは扉を開ける。鍵は掛かっていなかった。





「い・・・一体何を・・・!?」

後から入ってきたフィーナが驚愕の声をあげた。
そこにいたのは、多くの女性。その中心に、黒い頭巾をかぶった男。

「・・・・宗教か何かか・・・?」

コウも怪訝な声を上げる。

「・・・気になる。けど、ここは先に進まないか?」

提案者はライだ。

「・・・そうだね。ここでこうやってても何も無いだろうし。」
「流石にあそこに突っ込むことは出来ないからな。」
「・・・じゃあ、ここは後回し・・・っと。」

4人は、もう少し先を探ることにした。













「・・・ねぇ、何か聞こえない?」

フィーナが立ち止まった。

「・・・これは・・・何かを叩く音・・・?」
「それに、誰かが話す声・・・微かに、もう1つ声が聞こえるな・・・。」

コウ、クルクが意見を並べる。
そのとき、ライは1つの部屋を見つめていた。

「この部屋からだ。・・・開けるぞ。」

ライは扉を開ける。

「な、何だ貴様ら!?」

そこにいたのは、鞭を持った1人の男。

「!・・・この部屋は・・・。お前・・・何をやっているんだ!」

ライの怒号が飛ぶ。後から入ってきたコウが部屋を見渡す。
この部屋は拷問部屋らしく、所狭しと拷問の用具が置いてあった。
そして、その部屋の壁には1人の少女が鎖に繋がれていた。傷だらけだ。

「決まってんだろ。こいつが抵抗するから、ちょっといたぶってやってるのさ。ほうらっ!」

パシィッ!

男が振るう鞭が、少女の腕に新たにミミズ腫れを作った。
少女から声はしない。気絶してしまっているようだ。

「やめろ!・・・マジック・ボール!」

ライの魔力球が、男の鞭を持つ手に命中する。鞭は床へと落ちた。

「このガキ!」

男は腰に着けていた剣を抜き、斬りかかった。しかし。

「エビル・シュート!」

いつのまにか回り込んでいたクルクの魔法が、男の剣を砕いた。
そこへライの峰打ち。男は昏倒した。












「大丈夫?」

フィーナが少女に話し掛ける。
男を昏倒させてから数分後に、彼女は目覚めている。
年齢はライとコウの2人と同じくらい。緑髪に紅い眼。

「え、ええ・・・。ありがとう・・・。・・・あなたたちは・・・?」

ライたちを見回す少女。
ライたちは、ごく簡単に自己紹介を済ませた。
その後で、少女は話し始めた。

「・・・私は、シフリアといいます。この街に住んでいたんですが・・・。
数日前に、あの黒ずくめ達がやってきたんです。あいつらは、街の人たちに催眠術をかけたんです。」
「催眠術?」

クルクが聞き返す。

「はい。魔法によるものかもしれません。それで、男性は兵に連れて行かれ、女性はいつまでも祈りを捧げて・・・。」
「そうだ、あいつらはここで一体何をやっているのか解るかい?」

と、シフリアの言葉を聞いて今度はライが訊ねる。

「・・・すいません、詳しくは・・・。でも、何人かは催眠にかからなかった人もいます。
その人たちが今どこでどうしているのか・・・。私みたいな目に遭ってないといいんですが・・。」

シフリアはよほど心配しているようだ。その証拠に、声が少し震えている。

「・・・さっきの大部屋へ戻るぞ。あそこの様子をもう1度確認する。」

コウが言った。

「そうだね。私もちょっと気になってたんだ・・・。」

フィーナがまず賛成する。
ライ、クルクも反対しなかった。

「・・・あの・・・、私も連れて行ってはくれませんか?」

シフリアがおずおずと口を開く。

「・・・大丈夫なのかい?」

ライが心配そうに訊く。

「ええ、コウさんの魔法で傷も癒えましたし・・・。
それに、私の杖さえあれば私も魔法は使えます。あそこに落ちてる・・・。」

シフリアは立ち上がると、落ちていた杖を拾った。

「・・・お願いします。私も連れて行ってください。助けてくれた恩返しもしたいですし・・・。」

深々と頭を下げるシフリア。



「・・・解ったよ。じゃあ一緒に行こう。よろしく、シフリア。」
「はい、こちらこそよろしくお願いします!」

ライの言葉に、嬉々とするシフリア。
もちろん他の3人も反対しない。


こうして、また新たな仲間がライ達に加わった。


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