第2話


ゴブリンを倒したその帰り道、コウがライに話し掛けた。

「なあライ、お前もいいかげんエレメントの魔法覚えろよ。
・・・まだ自分のエレメントが何かわからないのか?」
「わかってたら苦労しないさ。わからないせいで僕は
あまり魔法が使えないのかもしれないんだし・・・。」

「・・・でも、自分のエレメントにこだわらずともエレメント魔法は持っていたほうがいい。」
「・・・今日みたいな事があるかもしれないから・・・か?」

少し、二人の声のトーンが落ちた。

「妙だよな・・・この『光の地』にソーサラーのゴブリンがいるなんて・・・」
「ああ。普段はせいぜいただのゴブリンだっていうのに・・・」
「何か・・・起ころうとでもしているのかな・・・?」
「まさか・・・。」


「じゃあ、また明日な。」
「ああ。」

二人は別れた。




―――その夜―――

ライは何かの気配を感じて目を覚ました。

「・・・?」

  ライが窓の外を見た、その刹那。

ズガァァァァン!!

ものすごい爆発音とともに、窓の外は炎に包まれた。

「何だ!?」

ライは窓から飛び出した。
外では、慌てふためく人、消火に取り掛かっている人などで
召集がつかなくなっていた。

「いったい何が・・・」
「ライ!」

声の方向を見ると、コウが立っていた。

「コウ!何が起こったんだ?」
「わからない。いきなりの轟音だったんだ・・・。
でも、変な奴が森の中へ入っていくのは見た!」
「追うぞ!」



「待て!村に火を放ったのはお前か!?」

ライとコウは、全身が黒ずくめの男と対峙した。

「貴様・・・死んでなかったのか。まあいい、そちらから来てくれるとはな・・・
お前の力が目覚める前に、お前を殺す。」

その男は、ライを指差して言った。

「僕の力?・・・何のことだかわからないな!」

ライは剣を構え、斬りかかった。
コウも唱えていた呪文を解き放った。

「でやあああっ!」 「ライト・アロー!」

しかし、その男は素手で剣を受け止め、
軽く身をかわして光を避けた。

「・・・くだらん。」

パキィッ―――・・・剣が折れた。

「馬鹿な!?」

ライは驚愕の声を上げた。
コウはあきらめずにもう一発ライト・アローを放とうとした。
しかし。

「目障りだ・・・シャドー・クレイ!」

男が呪文を放つと、その影がコウに体当たりを仕掛けた。

ドグッ!

「!・・・かはぁっ・・・」

まともに喰らったコウはたまらず倒れこんだ。
ダメージはかなり大きいようだ。

「コウ!・・・貴様!」

ライは呪文を唱え始めた。

「マジック・ボール!」

だが、その魔力球は男の影に砕かれた。

「そろそろ死ぬがいい!」

男の影が槍の形を取った。

「(これまでなのか?・・・いや、まだ死ねない!)」

ライはそう思った。
その時、ライはひとつの呪文を唱え始めた。
その呪文は、ライ本人も知らないものだった。

「馬鹿な!力が目覚めるのか!?」

男は焦りの色を顔に出した。

「・・・ライ?」

コウが尋ねる。しかし、ライには聞こえなかった。
そして、ライの呪文が完成した。

「ブルー・プラズマ!」

ライがかざした手から青い電撃がほとばしった。

「くっ、影よ!」

男は影を防御に使おうとした。
だがその影はもはや存在しない。
電撃の閃光が影を消し去ってしまっていた。

「ぐああああぁぁぁぁ・・・」

男は一瞬にして死に至った。
そしてライは我に返った。

「これが・・・僕の力?」

「ライ。」

彼が振り返った先には、コウとライの両親がいた。

「お前に・・・話す事ができたな・・・。」


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