第3話


「エレメントの種類はいくつあると思う?」

ここはライの家。
ライは今、父親と話をしている。
ちなみに、放たれた炎はとうに消えている。
幸いにも焼失した家や怪我をした人などはなかった。

「何言ってるのさ。火、水、土、風、光、闇の6つだろう?
それがいったいどうしたって・・・」
「じゃあ聞くが、お前があの男を倒した魔法は何のエレメントに属するんだ?」

ライが言うのをさえぎって父親が質問をする。

「あ・・・あれは・・・」

口ごもるライ。
父親は言葉を続けた。

「わからなくて当然だ。あれは6つのエレメントのどれにも属さん。
かといってエレメントの力によらぬ魔法でもない。」
「じゃあ、一体・・・?」

少し間を置いて、父親は言った。

「7つ目のエレメント、「雷」によるものだ。」

ライも、聞いたことはあった。
その辺にある伝承歌をひっくり返せば、いたるところに
「雷」のエレメントの所持者がいる。

「でもそれは迷信、作り話じゃ・・・」
「現実にお前の手から稲妻がほとばしった。真実だという証拠だ。」

重い沈黙が流れた。

「・・・父さん。」
「なんだ?」
「ひとつ聞かせて。僕は一体何をすべきなんだ?」

ライの質問に、父親は涼しい顔で答えた。

「お前に課せられた使命や義務なんてない・・・お前も俺も、普通の人間さ。
お前は、人と少し違う魔法が使えるだけさ。」
「・・・もう一つ。父さんは僕のエレメントが「雷」だって知ってたのか?」
「知ってたからって、どうなるというんだ?」
「・・・。」

ライは黙り込み、自分の部屋へ戻った。
そして考え、この結論へと至った。

すなわち―――自らの目的を探すための旅―――

ライは、すぐに支度を始めた。
といっても、普段着の上からローブをはおり、多少の金を
持つだけなのだが。
この日はもう遅かったので、ライは明朝出発することにした。

翌朝、ライが静かに家を出発しようとした時だった。

「やっぱり出るのね・・・ライ。」

母親だった。

「ああ。止めないだろうね?」
「どうせ止めても出て行くでしょう。それより、さすがにその格好じゃ
途中でモンスターにやられるわよ。ちょっと待ってなさい。」

奥に入っていった母親は、
しばらくすると一振りの剣と巻物を持ってきた。

「これは・・・?」
「昔、父さんが使っていた魔法剣よ。少し古いけど・・・
魔法を受け止めて、放つ効果は薄れてないはずよ。
もちろん普通に剣として使うこともできるし。」
「父さん、こんなの持ってたんだ・・・」
「それと、こっちの巻物は「リカバリー」の魔法よ。長旅には絶対必要だからね。」
「ありがとう、母さん。それじゃあ行くよ。」
「行ってらっしゃい。気をつけて、必ず帰って来てよ!」

ライは家を出た。
そして村の出口へと差し掛かったとき、聞きなれた声を聞き、振り向いた。

「待てよ、ライ!」
「コウ!・・・どうしてここに?」
「決まってるだろ・・・俺もお前の旅について行くんだ。
いやとは言わせないぞ?」
「そうか・・・よろしくたのむよ、コウ!」
「そうこなくっちゃ!」

こうして、2人の長旅は始まった。


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