第4話

ライとコウが村を出てから2日が過ぎた。
二人は今小さな町の宿にいた。

「これからどうするんだライ?もう路銀も尽きたぜ?」

そう、ライが持ってきた金はごく僅か。
コウに至ってはまったくの無一文だった。

「そのことなんだけど・・・ちょっとした話があるんだ。」

ライが言う。

「何だ?話って。」
「ちょっとした噂話さ。」
「何だよそれ・・・。」
「あくまで噂なんだが、この辺に洞窟があるらしい。
その洞窟に挑んだ人は多いが、帰ってきた人はいないらしいんだ。」

よくある「財宝の洞窟」の噂だった。
この世界では珍しくない。

「それで?」

コウが続きを促す。

「つまり、それだけ多くの人が挑んだということは
そこに何かある可能性は高いと僕は思うんだけど・・・。」
「お前らしくないな。そんな噂に頼るなんて。」
「でも、いくらなんでも無一文で進むわけにはいかない。
それに・・・立ち止まっている暇はない・・・そんな気がするんだ。」

僅かな沈黙が流れる。

「・・・わかったよ。でも、行くとなれば絶対に何か見つけてやろうぜ!」

コウはライ以上に闘志を燃やしていた。






次の日。
2人は薄暗い洞窟の中にいた。
襲いかかってきたゴブリンをコウがライト・アローで撃退したところだ。

「この洞窟・・・思ったより深いな・・・。」
「モンスターも多いし・・・全く、きりがないぜ・・・。」

などということを話しながらも、2人は最深部へと向かっていた。
しかし、ライはどうも腑に落ちないという顔をしている。
それに気づいたコウが口を開いた。

「どうしたんだ?そんな顔して。」
「・・・ここには多くの人が挑んだ。そして、帰った人はいなかった。
それなのに、何故この洞窟には「死体」がないんだ?」

思わずあたりを見回すコウ。
確かに、死体の一つくらいあってもおかしくない。
だが、ただの1つも死体は見られなかった。

「確かにな・・・と、ここで終わりのようだぜ?」

目の前はもう行き止まりだった。
どうやらここが最深部のようだ。

「戻らないか?あらかた調べ終わったし、多少なりとも金はあったし・・・。」

コウが言う。
ライは行き止まりとなっている壁に手をかけようとした。

「わっ!」

その手がすり抜けた。壁は幻影だったのだ。

「どうやらまだ先はありそうだ・・・。それに、
幻影の壁ってことは、誰かいる・・・。」

ライとコウは、その奥へと進んだ。






2人が少し進むと、遠くから人が走ってくるのが見えた。
その男は、何かにひどく怯えている様子だった。

「たっ、助けて・・・スケルトンが!」
『スケルトン!?』

二人同時に声を上げた。
丁度そのとき、殺気が生まれた。
それは、人間の殺気だった・・・いや、「人間だったもの」と
言った方がいいだろう。
その人間は、肉と臓がなく、骨だけで動いていた。
俗に言う、スケルトンだ。
そのスケルトンは、持っていた長剣を男に向かって振り下ろした。

「ぐぁぁっ!」

男の背中から、鮮血が噴き出した。
コウは男に走り寄り、ライはスケルトンと対峙した。

「・・・・・・」

スケルトンは斬りかかった。しかし、ライはその剣を
首の皮一枚の差でかわすと同時に、スケルトンの頭を斬り飛ばした。
その頭は宙を舞い、地面に叩きつけられ、砕けた。
それと同時に、スケルトンの体も崩れ去った。


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