第5話「学校にて」


「授業か・・・かったりぃなぁ・・・。」

いきなりぼやく炎。
ここは流駆たちの中学校の教室。昼休みが終わろうとしている時分だ。

「炎、覚えてるか?次小テストだぞ。」

隣りの席の流駆がモンコレのデックを整理しながら声をかける。

「・・・はい?(汗)」

忘れていたようだ。

「・・・か、楓ぇ・・・どこから出るんだ・・・?」

縋るように前の席にいる楓に訊ねる。
彼女は、かなりの優等生。学年成績も常に上位だ。

「炎・・・やっぱり勉強してなかったのね・・・。」

呆れつつも後ろを向き、テストの範囲を教える楓。
流駆はもう2人には構わず、自分の勉強に入った。
彼の成績は、良くも悪くも中程度。ただし、中の内ではやや上位。


因みに、炎の成績は・・・下の下の中ぐらいである。


キーンコーンカーンコーン・・・


チャイムが鳴った。それとほぼ同時に教師が入ってくる。
教室から呻き声が起こった。

用紙が配られ、テストは始まった。














20分後・・・。

楓が頬杖をつくのを流駆は見た。
もう問題を解き終わってしまったようだ。

「(・・・流石だな・・・。)」

そう思いつつも、流駆は自分の問題に取り組む。
炎はほとんど諦めているようだ。手が止まっている。





そんなときだった。
突如、モンスターが学校を襲ったのは。
窓の外に、巨大な翼を持つ竜『リンドブルム』がいる。

それを見た一生徒が悲鳴を上げる。
それにつられて窓の方を見るほかの生徒達。そのたびに悲鳴が上がった。
もちろん、流駆、炎、楓の3人は悲鳴など上げない。

「・・・召喚術師のものか、それとも・・・何らかの拍子で出て来たか・・・。」

流駆が妙に冷静に言葉を紡ぐ。

「召喚術師のものじゃないの?ほら、3体いるわよ?」

そう言い、窓の外を指差す楓。
確かに、3匹の翼竜が飛び回っている。

「この校庭って・・・リミット15もあったのか?」

流駆が言う。リンドブルムのレベルは5だ。

「そんなことはどうでもいい、速く倒しに行こうぜ?」

そう言うのは、もちろん炎。

「はいはい。じゃあ、一人一殺ね・・・。」
「元気だな、あいつ・・・テストの時とは別人だ・・・。」

楓が呆れたように言う。流駆も、溜息をついていた。
ともあれ、3人はそれぞれのモンスターを召喚した。










では、1人1人解決していくことにしよう。


まずは流駆・・・。

「リンドブルムだろ〜?そうだな・・・『エルフ魔道防衛隊』と『エレファント』!」

流駆が呼び出したのは、エルフの魔術師たちと象。
イニシアチブが決定する・・・が、+2の修正を持つリンドブルムが先手を取った。
常備能力『チャージ』の力で、攻撃力が3から6になる。

「やっぱりか・・・じゃあ、『エンデュランス』!」

エルフたちが流駆のカードに応え、すぐさまエレファントにスペルを放った。
防御力を1D分増加させるスペルを。流駆が振ったダイス目は3。
もともとのエレファントの防御力とあわせると7。リンドブルムの攻撃は通じない。

「・・・勝ったかな?」

流駆が呟く。それと同時にエレファントが反撃に転じた。
常備能力『ディフェンダー』を持つエレファントの攻撃力は、3から9にまで跳ね上がる。
その凄まじい突進で、リンドブルムは巨体を宙に投げ出され、カードに戻った。

「・・・あいつらはもう倒しているかな?」









続いては炎。

「よし、行け、『ファイア・ジャイアント』!」

炎が放ったのは炎の巨人だった。
2体がぶつかり合う・・・同時に。

「同時攻撃か!」

そう、この2体のイニシアチブの結果は等しかった。
そのために、2体は同時にぶつかり合う。全ての常備能力、特殊能力を捨てて。

そうなれば、5/4のファイア・ジャイアントに3/4のリンドブルムが勝てる道理は無い。
競り負けたリンドブルムは、カードに戻った。

「・・・何だ、もう終わりかよ。」









最後は楓。

「リンドブルムなんて、このコ1体で十分よ。」

そう言って楓が呼び出したのは、蝶の羽を持つ小さな妖精、『フェアリー』だった。


リンドブルムがそれを見て、まるで勝ち誇ったかのように突進してくる。
それもそうだろう、相手は1レベル、0/1のモンスターなのだ。
リンドブルムは、先制攻撃を仕掛けた。

「・・・『ウィンド・カッター』。」

楓が出したカードに応え、素早くスペルを放つフェアリー。
すると、真空の刃がリンドブルムを切り裂き、カードに戻した。
『飛行』もしくは『長距離飛行』のユニット1体を葬り去るスペルだ。

「こんなところね。流駆と炎は倒したのかしら・・・?」





こうして、リンドブルム3体は流駆たちによって撃破された。
流駆たちは、この後クラスメイトたちにもみくしゃにされている。
「どうやってあんな事したんだ?」と。






・・・そんな中、炎はこんなことを考えていた。

「(こんな騒ぎが起こったんだ、テストも延期・・・あわよくば中止になるはずだ!)」

因みにテストはこの後しっかりと続行され、炎は0点に近い点数を取ってしまったらしい。


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