TOE小説
〜セイファート高校〜 第13話
「第1回ウィス大会」
「ふぅ・・・。ようやく落ち着いたな・・・。」
食事が終わり、安堵した表情のリッド。
今は、キャンプファイアーの真っ最中である。
「キャンプファイアー・・・いい詩が浮かびそうです・・・!」
コリーナのその一言に、凍りつくリッドら(メルディを除く)3人。
メルディは踊る機会が来るかとワクワクしている。
「あのう・・・。出来ればこっちを少し手伝って欲しいのですが・・・。」
「ミント先輩?どうしたの?」
ミントが無言で指差したその先には、食中毒でダウンしている生徒たちがいた。
「はっ!?料理失敗した生徒ってンな多いのか!?」
驚きの表情を隠せないリッドに対し、ミントは困惑した表情になった。
「あの中で、自分で料理に失敗したという人は全体の1割にも満たないんです。その人たちは症状も軽いんですよ。
でも、残りの9割以上の人は・・・アーチェさんの料理を食べてしまったんです・・・。」
「彼女の料理に、毒でも入っていたとでも言いたいのか?」
ミントの言葉に、キールが怪訝な表情を浮かべる。
「アーチェさんは、故意に毒を入れたりはしない(はず)ですが・・・やはり、「××料理人」の異名は伊達ではなかったんでしょうか・・・。」
「・・・××料理人・・・そんなに料理が下手なのか?」
「はい・・・。しかも、自覚が無い上に自分では味見をしないんです・・・。」
「・・・救いようがねぇな。」
リッド達はお喋りをそこまでにして、治療の手伝いにあたった。但し、治療自体の手伝いが出来るのはファラのみであったが。他4人は、雑用だった。
「・・・皆さん、お疲れ様でした・・・。」
ミントが、自らも疲れているにも関わらずにリッド達に労いの言葉をかける。
「・・・あっ、そうだ!これからウィス大会が始まるんでした!皆さん、行きましょう!」
「ウィス大会だって・・・?僕は遠慮するよ。僕に今必要なのは肉体的休養だ・・・。」
キールはそう言って、テントに戻ろうとした。が、ミントの次の言葉でその足取りを止めた。
「あ、これは生徒全員に参加義務があるんです。参加しなかったら・・・今回はもれなくデュアル・ザ・サンだそうですよ。」
つまり、嫌でも参加させるということである。
観念したキールを含め、リッド達は渋々参加することとなった。
「では、これより・・・ウィスじゃったっけ?その大会を始める。」
校長の言葉で、ウィス大会は始まった。
今回のルールは普通のウィスと同様。但し、多人数プレイである。その数、8人。
8人中トップの点数の生徒が勝ち抜けである。全学年、教師混合。
おや・・・?
「攻撃(×7)。」
「そんな!ひ、卑怯じゃないか!」
早くも第1ゲームが終わった所が出てきた。ここの敗者は・・・キール。
自分の隣から攻撃カードが回りだし、見事に自分へと回ってきて、ドボンとなった。
人数が多いため、攻撃が回りだせばすぐにドボン(手札15枚越え)となりうるのだ。
「あぁっ!ま、また!」
・・・キールが勝ち上がるのは無理そうである。
「ワイール!メルディの勝ち!」
「つ、強いですメルディさん・・・。私なんてもう−80点です・・・。」
こちらでは、メルディが圧倒的な強さを見せ付けているようである。
それに対し、同じ組のコリーナは惨敗。2人の点差は既に150点ほどある。
「・・・クィッキー、次も頼むな。」
「クキュキュキュ・・・(反則させないでよ・・・)」
こういう裏があったらしい。
結局この後、ズルがばれることなくメルディが圧勝した。
一方。
「よっし、これ出すよ!」
意気込んでファラが出したのは攻撃カード。
「うわ、キツイなぁ・・・。じゃあ僕も攻撃するよ。」
隣のクレスが更に攻撃カードを出そうとするが。
「ちょっと、クレス!このあたしに攻撃をまわすって訳!?」
このまま行くと4枚ペナルティのアーチェが喚きちらす。
「そんなこと言ったって・・・。」
「クレス!あたしあなたがそんな人だったなんて思わなかったわ!」
「・・・解ったよ、僕が2枚引けばいいんだろ。」
クレスは攻撃を回さず、自分でカードを引いた。
アーチェの隣にいたチェスターは呆れ返っている。
「・・・アーチェ、次は何があっても容赦しないからね。」
「大丈夫大丈夫!もうあたしには回ってこないから。ほい。」
アーチェが放ったのはチェンジのカード。クレスの攻撃の矛先はファラに向けられた。
「ファラさん、ごめんよ。攻撃!」
「別にいいですよ。私も攻撃しますから。」
ファラはもう一枚攻撃カードを出した。
攻撃が回り・・・チェスターの所までやってきた。
「チェスター!あんたまさか攻撃するつもりじゃ・・・。」
「攻撃。」
躊躇の欠片も無い。
「何で出すのよ!このバカ!」
「うるせぇな。いいから攻撃カード出せよ。無いんならお前、ドボンだぜ。」
「・・・うっさい、うっさーい!」
アーチェ、ドボン。
しかし結局、この組の敗者はお人よしのクレスだった。勝者はチェスター。
「・・・なんで俺はこんな怖い所にいるんだよ・・・。」
「気にするな。すぐに慣れるさ。」
少し怯えているリッドをなだめるレイス。
ここの8人はこの2人の他に・・・マローネ会長、セルシウス、レム、シャドウ、ゼクンドゥス、後一人はリッドは見たことが無い。
「・・・レイス役員長?」
「レイスでいいよ。」
「ならレイス、あの全身によく解らない刺青をしている帽子の人物は誰だ?」
「私について、レイスに聞いているのか?」
リッドの問いに答えたのは、その刺青の生徒本人だった。
「私は3−1のクラース・F・レスターだ。君こそ一体誰だ?」
「あ・・・1−2のリッドですけど・・・。」
「お喋りはそこまでにしなさい。攻撃よ、リッド。」
リッドがはっとして場を見ると、隣にいたセルシウスが自分に攻撃する所だった。
「じゃあ攻撃・・・(汗)」
攻撃を返すのも怖い。
大打撃を受けたのは、シャドウであった。
「むぅ・・・。」
終始意味不明なシャドウ。このまま敗北した。
因みに勝ったのは・・・なんとレムである(笑)
「話にならぬわ。」
そんなに余裕だったんですか、レム先生。
そんなこんなで勝ち上がってきたのはこの4人・・・メルディ、チェスター、レム、シルフ。
今回は、クィッキーはキールに捕まっている(リッド、ファラ、キールにはばれた。コリーナは気付いてもいない)。
「これから決勝だ。準備はいいか?」
審判に抜擢された会長が4人に聞く。
「メルディは準備おっけーだな!」
「俺も、いつでもいいぜ。」
「早くやろうよ。どうせ僕が勝つんだから。」
返事をしたのはこの3人。レムは、頷くだけに終わる。
「なら、決勝の特別ルールを説明する。1ゲーム限りの勝負で、ドボンした人物はその場で退場。
残りはそのままゲームを続ける。最後の一人が残るまで続くぞ。もちろん、手札が無くなればその時点で優勝だ。いいな。」
駆け足でルールを説明すると、マローネ会長は手早くカードを配った。
「じゃあ、決勝開始だ。誰から始めるかはこの4面体ダイスで・・・レム先生からだな。」
よくそんなの持ってたな、マローネ。
「ではいかせてもらうぞ。いきなりだが、攻撃じゃ。」
「嘘!?容赦ないなぁ、レム先生!」
いきなり攻撃カードを出したレム。その隣のシルフは大人しく2枚引く。
「俺の番だな。ほれ、チェンジ。」
「バイバ!チェスター酷いな!」
思わぬ展開に、つい先輩を呼び捨てにしてしまうメルディ。
しかしシルフは普通の風カードを出し、レムはカードを引き、すぐにメルディの番となった。
「でも風属性ってメルディも出せないよ・・・。」
じゃ回って来なくてもよかったのでは?
その後、シルフは順調に手札を減らす。レム、チェスター、メルディは手札が増える。
「へへーん!後2枚ってところで・・・いくよ!」
シルフが意気込んで攻撃カードを出す。
「ならば回すぞ。」「メルディも回すよ。」「俺も回すぜ。」
攻撃が返ってきて、シルフ8枚引くか・・・と思ったら。
「ダメダメだね!もう一枚攻撃!悪いねレム先生!」
シルフの残り1枚のカードも攻撃カードだった。
これで誰かが攻撃を受ければ、シルフの勝利である。
「また回そうかのう。」「よかったな、もう一枚持ってて。」「へへっ、甘いな!」
何と、また攻撃が自分に返ってきた。
「う、嘘!えっと、何枚?」
自分から始まり、2周して自分に返ってきた訳だから、2×8=16枚・・・16枚?・・・ドボンである。
「シルフ先生、脱落だ。」
「あぁっ!いいよいいよ!たかが遊びだし!」
無茶苦茶悔しそうである。残りは3人・・・。あれ?チェスターがいない?
「畜生・・・。まさか全くカードが出せなくてドボンだとは・・・。」
・・・ある意味、一番悔しい負け方である。
そうこうしているうちに、レム、メルディとも残り手札は2枚である。
「このカードを出す。これで王手じゃ。」
そう言ってレムが出したのはプリズムのカード。火属性を選択した。
「残念だったな、センセー。メルディもこれ出して最後よ!」
メルディの出したカードは・・・氷のカード。場が再び水属性となった。
しかしレムは、不敵に笑う。
「どうやら、今回のウィス大会はわらわの勝ちのようじゃな・・・。これで上がりじゃ。」
「バイバ!光のカード!・・・メルディの負けだよ・・・。」
「勝負あり!優勝はレム先生!」
マローネの声が響くのと同時に、観客(生徒)席から歓声が上がる。優勝したのは、生活指導のレム先生だ。
「わらわに勝つには、(運が)足りぬようじゃったな・・・。」
決め台詞まで残す。
この後、就寝。翌日、再びあの転送装置を使って帰校したそうな・・・。
余談だが、ロエンを初めとするレグルスの丘へたどり着けなかった生徒たちは、3日後に回収された。
大抵の生徒は自力で帰れるぐらいの所に飛ばされたのだが、ロエンは発見されたときには息が絶えかけていたという・・・。
結局、ロエンの扱いはこれだけでした。すまん(笑)
そして、これからもネタに詰まったらこれやります(死)
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