TOE小説
「セイファート高校」第16話
〜役員交代?〜




「・・・全く・・・なんで僕がこんなことしなけりゃならないんだ・・・。」
「そりゃ、リオンさんが負けたからじゃないの?」


廊下を歩いているのは、リオンとリリス。
今日は学校統合後に結成された新生徒会の顔合わせがあるらしい。


「大体、生徒会室は何処だ?」
「・・・え?リオンさん、知ってるんじゃなかったの?」
「僕は知らないぞ。リリス、貴様こそ知ってるんじゃなかったのか?」
「私、知らないんだけど・・・?」


白けた空気。だがそこに、救いの手が差し伸べられた。


「おや、そこにいるのはリオン君に・・・リリスさんではないのか?」


元ラディスロウ高校生徒会長のウッドロウがそこにいたのだ。


「ウッドロウさん!助かった・・・。」
「おい、生徒会室は何処だ?」


安堵の表情を浮かべるリリスに対し、即座に場所を尋ねるリオン。


「・・・君たち、生徒会室の場所がわからないと言うのかい?」


何故か、呆れた表情のウッドロウ。それを見て、リオンは苛立ちを覚えた。


「貴様、僕を馬鹿にしているのか!?」
「・・・リオン君、君はもう少し落ち着くことを覚えた方がいい。それに生徒会室なら・・・そこだ。」


ウッドロウが指差した方向は、2人が通り過ぎた廊下の方向。「生徒会室」と解り易く張り紙がしてある教室があった。

「あはは・・・見逃してたみたいですね・・・あはははは・・・(汗)」
「くそっ・・・僕を子供扱いしやがって・・・。」


誰も子供扱いしてない。





















「失礼しまーす。」


と愛想よく扉を開けるのは勿論リリスとウッドロウのみ。
リオンは・・・ふて腐れてた。生徒会室には既に役員達が揃っていた。


「遅かったな。・・・まぁいい、では早速役員会を始める。」


マローネ会長の開会宣言。これ以降の進行はレイスの役目である。


「今日はとりあえず顔合わせと言うことだから、特に相談すべきことはない。以上だ。」


終わりかい。
だがそこで、マローネが口を開いた。


「私は少し考えたことがあるのだが。」
「なんだい?マローネ会長。」


マローネは、ロエンとウッドロウを交互に見ながら喋り始めた。


「生徒会副会長の、交代だ。」
「な、なんだと!?俺様を降ろすと言うのかっ!?」


マローネの言葉に、ロエンが怒った。


「で、でも何でですか?」
「うむ・・・。ロエンは生徒会役員選挙で選出された、いわば信頼の元に選出されているのだ。」


「生徒会の良心」といわれているミントの言葉に、マローネも説明を始める。
しかしロエン、信頼されていたのか・・・(爆)


「だが、いざ副会長になってみると、たいした仕事が出来ていないように感じるのだ。
遠足のときでも、レグルスの丘までたどり着くことが出来なかったからな。」
「なっ・・・あれは転送装置のせいだろうが!大体俺を降ろしたとして、誰を副会長にするつもりだ!?」


よっぽど副会長を辞めたくないのか、ロエンの抗議が続く。しかしマローネは、落ち着き払って言った。


「後任は、ウッドロウに任せようと思っている。」
「・・・私が?」
「ラディスロウ高校では生徒会長だったのだろう。色々な意味で実力があるはずだ。」


色々な意味って・・・?


「ええい!そんなに辞めさせたいなら、俺を納得させてみろ!」
「・・・なるほど。では、今ここにいる役員達。この中で投票を行おう。ロエンのほうが得票数が多ければ、役柄はそのままでいく。」


マローネはそう言うと、小さな紙の欠片を役員に配り始めた。


「支持する人間の名前を書いてこの箱の中に入れろ。無記名でいい。」


















数分後。


「では、開票する。因みに、生徒会役員は見れば解るが私を含めて21人いる。11票集めたらその時点で終了だ。」


マローネは開票を始めた。すると、驚くべき(?)ことが起こった。


「ウッドロウ、ウッドロウ、これもウッドロウ・・・。」


開けても開けても、出てくる名前はウッドロウばかり。あっという間に11票を集めてしまった。


「決まったな。」
「そ、そんな・・・。」
「今日からロエンは普通の役員として働いてもらう。ウッドロウ、新副会長としてよろしく頼むぞ。」
「まぁ、なってしまった以上は仕方あるまい。微力を尽くさせてもらおう。」


ウッドロウの言葉に、生徒会室が拍手で沸いた。
何故かリオンまでが拍手をしている・・・何でだ?


「では、これで今日のところは解散としよう。全校生徒には後々私が報告する。」
『お疲れ様でしたー。』


役員達が席を立つ中、ミントがマローネのもとにやってきた。


「あの・・・会長?」
「ん?どうした?」


「ロエンさんとウッドロウさんの票の入り方って、最終的にはどんな形だったんですか?」
「そう言えば・・・気にならなくもないな。」


そう。投票箱(ただの空き箱)には後10票残っているのだ。
マローネはその票も加えた、最終獲得票数をはじき出した。


「ミント、出たぞ。」
「どうだったんですか?」
「あぁ、それがな・・・ウッドロウ20票、ロエン1票だった。」


その言葉にミントは笑いをこらえきれず、つい口元が歪んだ。


「・・・で、でも1票でも入っているなら・・・。」
「甘いな。」


マローネも、笑いながら話している。


「ウッドロウとロエンの2人も投票には参加している。つまり、これはロエン本人が自分に入れた票なのだ。」


ミントとマローネは、その言葉を最後に更に笑う。
ミントはそれでも遠慮気味に、マローネは遠慮なく・・・。







後日、生徒たちに福会長交代の報告がされたときも、拍手喝采だったらしい。




ロエン・・・哀れな・・・(筆者のせい)



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