体育館を出た廊下のところに、クラス分けの張り紙があった。
「ねぇ見て!私たち4人、同じクラスだよ!」
ファラが嬉々として話す。
「ワイール!やったな!」
「同じクラスであることには特に利もないが…損もないな。」
「教室は・・・1ー2だな。」
4人が教室にたどり着くと、そこには既に見知らぬ生徒達で一杯だった。
「・・・あれも、「生徒」なのか?(汗)」
キールがそう呟くのも無理はない。
「生徒」の中には、インフェリア人やセレスティア人、モンスターまでいる。
レムが言っていた「常識は通用しない」の意味を、4人はほんの少しだけ理解した。
「・・・あら?あの茶髪の人・・・同じクラスだったんだ。」
ファラが呟く。
入学式のとき、校歌斉唱でファラの目をひいた少女だ。
「みんな、席について。」
担任と思しき女性の声が響く。
リッド達は、慌てて自分の席を探し始めた。
「とりあえずみんな、入学おめでとう。私が担任のセルシウス。数学を教えているわ。」
淡々と語るセルシウス。
外見はそれなりの美人なのだが、どこか冷たい雰囲気・・・というより、実際に冷気を発している。
「みんなにはこれから自己紹介をしてもらいましょうか。名前と自己PRでも。」
「キール・ツァイベル。ラシュアン出身。趣味は読書、専門は学問。
手始めに僕の光晶霊に対する理論を―――。」
「キール君、ありがとう。じゃ、次の人。」
セルシウスは、長引きそうと感じたのかキールの話を無理矢理中断させた。
キールは、納得がいかない様子で着席する。
次に自己紹介をするのは、あの茶髪の少女だ。
「私はコリーナ・ソルジェンテという美しき吟遊詩人です。
この学校に入ったのは、この学校ならいい詩が書けそうだと思ったからなのです。
では挨拶代わりに、このクラスの皆さんの外見の詩を・・・」
「ありがとう。でも、歌っちゃダメよ。じゃあ・・・。」
因みに、コリーナはアニメ版TOEのキャラクターらしい。
ただし、筆者は小説でしか知らないことを述べておく(爆)
「じゃ・・・次の人。」
「はい!」
ファラだ。
「ラシュアンから来ました。ファラ・エルステッドです。
趣味は・・・料理と人助けです。よろしくお願いします!」
料理はともかく、「人助け」も趣味なのだろうか・・・?
メルディの番となった。
「メルディだよ〜。アイメンから来た。踊ることが好き。
それと、このコはクィッキーっていうな。よろしくな〜。」
「クィッキ〜。」
お気楽な口調で自己紹介をするメルディ。
クィッキーとは、彼女のペットであるポットラビッチヌスの名前である。
どう考えても、安直なネーミングだ。
「じゃあ次・・・最後ね。」
そう言われて、リッドは立ち上がった。
「・・・リッド・ハーシェル。出身はラシュアン。趣味は食うことと・・・空を見ること。」
それだけ言うと、リッドはさっさと席に座ってしまった。
「これで全員ね。
じゃあ皆、他の人に質問等があれば今のうちに聞いておきなさい。私に対しての質問でもいいわよ。」
セルシウスがそう言うと、突然クラスから声があがった。
「先生って彼氏いるんですかー!?」
何ともまぁ身も蓋もない問いだな。
「彼氏・・・いないわよ。今のところはね。」
「いるぞ―――!!俺がそうだ―――!」
セルシウスが答えると同時に、隣のクラスから凄まじい大声が響いた。
ガラッ!
「セルシウス先生の彼氏は俺だ―!因みに1−1の担任、イフリートだ!」
唐突に扉が開くと、途端に教室の気温が上昇した。
全てはイフリートの下半身に燃え盛る炎のせいであろう・・・。
因みに生徒たち、引いてます。
「イフリート先生・・・なに寝言言ってるんですか?」
セルシウスの、教室を冷やすほどの冷たい突っ込み。
「何が寝言だっ!現に俺たちはラブラブ・・・」
「獅子戦吼!!」
ゴガッ!?
イフリートは、隣の自分のクラスまで弾き飛ばされた。
「・・・他に、何か質問はない?」
淡々とした口調に戻るセルシウス。
・・・質問しようとする勇気ある人物はいなかった・・・。