TOE小説
「セイファート高校」 第3話
〜生徒会入会式〜


「起立!気をつけ!礼!」
「ありがとうございました!」


リッド達のクラスのホームルームが終わった。


「あ、午後から生徒会入会式があるから、忘れないでね。」


セルシウスはそう言い残すと、教室を去った。
現在、PM12:00。


「・・・腹減った〜・・・。」
無論、リッドの声である。


「リッド、食堂に行かない?」
「食堂!?行く、行く!」


ファラの誘いに、急に元気になるリッド。
・・・単純な。


「キールもメルディも一緒に行かない?」
「そうだな・・・行くか、メルディ。」
「はいな〜。」



何ぞと言っている間にも、リッドはかなり先を行っている。
・・・場所もわからないくせに。









「バイバ・・・結構混んでるよ〜。」


食堂に着いたメルディが声を上げる。

食堂は、かなりの数の生徒でごった返していた。


「リッドはどうした?」
「わからないな〜・・・。」


後からやってきたキールが聞くが、メルディは首をかしげる。

「・・・キール、メルディ。よく見れば解るわ。あそこ・・・。」

そう言ったファラが指を差した先には、リッドが幸せそうな表情で食事を貪っていた。


「あいつは・・・。食事のこととなるとてんで無防備だな・・・。」
「いいじゃない。私たちも行こうよ。ね?」





「あれ?お前ら、遅かったな。」
「リッドが早すぎるんだよぅ!」


ファラ達がリッドのもとへ到着したときには、リッドは既に食事を胃の中に収めていた。


「さ・て・と・・・何食べようかな〜?」
「栄養価が高く、かつ僕の味覚に合う料理があればいいが・・・。」
「あ、俺これ食べるわ。」
「リッド・・・まだ食べるか?」


和気藹々とする4人。

その時、彼らの隣のテーブルから声がした。


「ニギヤカな奴らだな・・・。」


4人・・・いや、食べることに没頭しているリッド以外はその声に振り向く。
そこに座っていたのは、紺色の髪の女生徒であった。


「あなた、誰?」
「・・・私を知らないということは、新入生だな?私は3年のマローネ・ブルカーノだ。」
「センパイなんだな。よろしくな〜。」
「メルディ、先輩にその口調は・・・無駄か。」


「悪いが、こう見えても私は忙しいのだ。お前らと話している時間はもうない。生徒会入会式、サボるなよ。」


そう言うと、マローネはさっさと食堂を後にして行ってしまった。


「何者なんだろ?」
「さぁ?よくわかんねぇや。」
「リッド、お前はそうだろうな・・・。」

「・・・あ、もう時間ないよ!はよはよぅ!」


メルディが急かしたてる。
リッドたちは、生徒会入会式の会場である体育館へと向かった。











「これより、生徒会入会式を始めます。」


司会が宣言する。
入学式とは違い、生徒が司会をやっている。


「まず、生徒会長からの話があります。生徒会長、お願いします。」


生徒会長―――マローネが壇上に登る。


「バイバ!生徒会長ってマローネセンパイのことだったのか!?」
「ほんとだ!私たち、生徒会長と話していたんだ・・・。」


「私が生徒会長、3−2のマローネ・ブルカーノだ。
この学校は常識が通用しないと入学式のときにレム先生がおっしゃっていたが、生徒会でもそうだ。
うかつな心構えでいると、死を見るぞ。」


生徒達、本日2度目の動揺。
傍で見ていたレム先生も苦笑している。


「どうにしても、この会によってお前らも生徒会の一員になったわけだ。
仲良くやろう。生徒会役員志望者は歓迎するぞ。」


マローネ、降壇。
生徒たちの表情には、明らかに不安の色が見える。


「続いて、副生徒会長の話。副会長、お願いします。」


続いて登壇したのは、金髪の男子生徒。
目つきがあまりよくなく、高慢な印象を与える。

「俺が生徒会副会長、3−1のロエン・ラーモアだ。
この学校、そしてこの生徒会に入ったからには観念しろ。無駄な抵抗は、死期を早めるだけだぞ。」


それだけ言って、ロエンは降壇した。


「何だあいつ?」
「やなヤツみたいだなぁ・・・。」
「でも、ちょっと素敵かも・・・。」


ロエンに関する一年生の感想は、こんなものだった。

「・・・続きまして、生徒会役員長からの話です。」


今度登壇したのは、またまた金髪の男子生徒。
大きな帽子をかぶり、ドエニスの花などをつけている。なかなかの美形である。(作者はそうは思わないが)


「私はロエンと同じ3−1の、レイシス・ルエイン。レイスと呼んでくれたまえ。
マローネ会長も言っていたが、生徒会では役員を募集している。
我こそはという人は、生徒会室まで来てくれ。入会料5万ガルドだ。」

沈黙。それもとびきり重く寒い沈黙。
マローネ、ロエンからも冷たい視線が飛ぶ。


「・・・コホン。仕方ないな、君達はタダにしてあげよう。
とにかく、随時募集しているからな。期待させてもらうよ。」


レイスは、降壇した。

女子生徒の1/5ほどが、頬を赤らめている・・・。


「続いて、新入生代表から意気込みを語ってもらいます。代表・・・は、これからくじで決めます。」


新入生達、三度目の動揺。当然こんな話は聞いていない。

どうでもいいが、これは本来入学式にやるものではないのか?


「えぇっと・・・?新入生代表、コリーナ・ソルジェンテさん。登壇してください。」
「わ、私なんですかぁっ!?」


気持ちいいくらいに取り乱すコリーナ。
それでも、どうにか演壇へ向かおうとする。





ごん。





笑い声が起こった。

説明するまでもないだろう。コリーナが階段に躓いて転んだのだ。

ファラが「笑っちゃダメだよ」と周りに呼びかけるが、聞いている生徒はほとんどいない。


「ううう・・・(涙)」


どうにか壇上に上がるコリーナ。
しかし、そこからが長かった。いきなり意気込みを語れと言われても、すぐにできる訳がない。


「どうした〜!?美しき吟遊詩人さん!」

野次が飛ぶ。しかも、彼女のクラスから。
とりあえず、野次を飛ばした生徒をファラが掌底破の一撃で黙らせる。

しかし、この一言がコリーナに光明を与えた。


「そうです、私は吟遊詩人なのです!というわけで、意気込みを詩にするです!」


そう言い放つと、コリーナは背中のリュートをかき鳴らしながら即興で歌い始めた。

・・・しかし、コリーナの詩は即興にしては決して悪いものではないが、いかんせん彼女は音痴だった。





3分後。

「どうも、ありがとうございましたです!」


コリーナの単独ライブ(爆)が終了した。
生徒たちからは申し訳程度の拍手しか返ってこない。というより、半分はげんなりしている。


「・・・ふぅ。これで、生徒会入会式を終わります。」

散開となった。




「(・・・この学校・・・大丈夫なのか・・・?)」


リッドは一人、そんなことを考えていた・・・。

(解答:あまり大丈夫ではない。)



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