TOE小説
「セイファート高校」第22話
〜運動会、開会〜
空に、色とりどりの花火が上がる。
「え〜・・・これより、第τ回セイファート高校大運動会の開会を宣言するじゃ・・・。」
微妙におかしい校長の開会宣言により、運動会の開会式が始まった。
「まずは、教頭先生のお言葉を頂きます。・・・教頭?」
「各チーム、大いに頑張るがいい。以上だ。」
久々に出た、教頭の短話。最も、生徒たちは大いに助けられているが。
「では次に・・・主だったルール説明を、副生徒会長のウッドロウにお願いします。」
「解った・・・と言いたい所だが、実は私も運動会がある、と知ったのはつい一昨日なのだ。たいした説明は出来ない。」
生徒たち苦笑。まぁ運動会がある、と初めから知っていたのは教師陣と会長位だろう。
「各種目、決めてあるであろうクラスの代表が出場して争ってもらう。そして、成績が優秀だった生徒の学年に点数が入るという仕組みだ。
そして、成績優秀者には報酬が与えられる。総合優勝した学年には黄金のブッシュベイビーが各クラスに送られる。・・・まぁ、こんなものだろう。」
ウッドロウが下がる。再度、司会が前に出てきた。
「引き続きまして、選手宣誓。ではマローネ会長・・・。」
「よし、解った。」
会長が壇上に登る。誰もが会長による宣誓を期待しているだろう。
「ではこれから、くじを引く・・・。当たった奴、選手宣誓だ。もし情けない内容だったら、もう一度くじ引きだ。」
呆然とする生徒たちをよそに、どこからともなく出現したプラスチックケースに手を突っ込むマローネ。
「ふむ・・・。では発表するぞ。」
生徒たちに緊張が走る。
「3学年、クラース・F・レスター。選手宣誓をするのだ。」
「わ、私かっ!?」
運動会なのにペレットをかぶっているクラースが、思いっきりうろたえる。
「まさか当たるとは・・・。まずい、何も思いつかん・・・。」
「どうしたのクラース?早く壇に上がったらどう?」
急かしているのは、同じクラスのクラースが思いを寄せていると噂されているミラルド。
クラースは彼女に対して、全く頭が上がらない。
「む、無茶言うなミラルド!」
「ほらほら、早く行く!だらしない姿見せないでね!」
ドンと背中を押されて、列からあぶれたクラース。目の前には、選手宣誓の壇。
「クラースさん、頑張って!」
「クラース、しっかりやんなきゃ!ミラルドにいいとこ見せなよ!」
真面目に応援するクレスと、茶化すのみのアーチェ。
「・・・ええい、全く!宣誓!」
・・・ヤケになりましたか、クラースさん?
「我々はスポーツマンシップにのっとり、正々堂々戦う事を誓います!」
その割は、一般的な台詞である。
「これでいいのか、会長?」
「・・・面白くないが、まぁいいだろう。これ以上は教頭が怒る。」
初めから2人目を選ぶ気はなかったのでは?
「とにかくこれで、開会式は終わりです。最初の競技は100m走です!代表者、集まってください!」
司会のその声に、代表者以外が応援席に去ろうとした時、ウッドロウが急にマイクを取った。
「ルールで言い忘れていたことがあった!各競技、エントリー中なら乱入出場がありとなっている!気が変わった生徒、ぜひ参加してくれたまえ!」
それなら代表を決める必要は・・・いや、何も言うまい。
100m走。
ルールは簡単。テレポートや時を止めたりする以外のどのような手段を使ってでも100mを走りきるというもの。
つまり、アワーグラスにクロノグラス、タイムストップ、ストップフロウなどは使用禁止とされる。
因みに前日、売店ではエルヴンブーツやジェットブーツ、ナイトメアブーツが飛ぶように売れたらしい。
「はぁ、みんな良くやる気になるよな・・・。」
「同感だ。ただでさえ暑いのに走り回るなんて、脱水症状にでもなったらどうするつもりだ?」
それでも本作レギュラーか、リッドにキール。
「ほら、二人ともぼやかないの!・・・あっ、メルディの番だよ!」
ファラの声に、トラックを見る2人。飛び入りしたのか、確かにメルディの姿がある。
そして、その横にはクレスもいた。
パーン!
8人(多いな)が一斉に走り出す。
クレスが鎧姿なのに早い。だがしかし・・・。
「クレスセンパイ、ごめんな♪・・・グレイブ!」
足元から出てきた岩に引っ掛かり、顔面から転んだ。
もちろん詠唱したのはメルディ。
「・・・・・・。」
「メルディいっちば〜ん・・・バイバ!?」
いきなり後ろから衝撃が走り、吹っ飛ばされたメルディ。・・・いや、他全員。
「ヒャッホ〜!俺の勝ちだ!」
何が起こったのか。
・・・スタンが皇凰天翔翼で突っ込んできただけ。
この組はスタンがトップ。しかも好成績。他は失格となった。
「・・・バイバぁ〜・・・。」
ここからは、走者の様子を見てみる。
「わ、私のような者が出てもよろしいのでしょうか?」
フィリアだ。いやに謙遜しているが、ストップフロウが使えないので厳しいか?
スタート。
「では・・・当たれ―!」
ピストルが鳴ると同時に、フィリアボムがばら撒かれた。以降は、バ○オハ○ードの如き様相となったので割愛・・・。
次の組には・・・教師チームから、イフリートとセルシウスが出ている。
「がっはっは!俺様とセルシウスの愛の力で勝利間違いなし!」
「・・・(殺意)」
竦みあがっている生徒たちをそのままに、スタート。
「エクスプロード!」
教師2人だけになった。
「じゃあセルシウス、ゆっくりと愛の道を・・・」
「アブソリュート。」
イフリート、凍結。
「獅吼爆砕陣!」
容赦ない一撃。イフリートは場外まで飛ばされた・・・。
余談だが、保健委員であるミントとその担当教師ウンディーネは休む暇もなく動き回っている。
さて次は。・・・マローネ会長だ。
何と、同組の全走者が棄権した。教師までも。・・・まぁ、賢明だろう。
「何だ・・・つまらん。」
やる気を無くしたのか、以外にもタイムは並のものだった。
さて、まだいいタイムはスタン以外出ていない中、最後は面白い組み合わせとなった。
「が、頑張るです!」
「スタンなんかに負けてらんないわ。勝って、ガルドかレンズ!」
「ふっふーんだ!勝つのはあたしだよ!」
「平民どもが・・・・。俺様に勝てると思うか?」
因みにもう4人は棄権した。
スタート。
『タイダルウェーブ!』
ルーティとアーチェが、いきなり晶術と魔術をぶつける。
威力が相殺され、害はなかった。
「やるじゃない!」
「そっちこそ!」
更に違う呪文が詠唱される。
「アイシクル!」「ロックマウンテン!」
今度は相殺しない。2つの術がぶつかって・・・。
「な、何故俺にぃっ!」
なぜか、ロエンに術が降り注いだ。まぁ、こういう運命だったのだろう。
2人が続いての詠唱に入ろうとした瞬間。
「やったです!私が一番です!」
コリーナが、いつの間にかゴールしていた。
「あんたが邪魔しなければ!」
「うっさい!そっちこそ邪魔しないでよ!」
どっちにしても、普通に走っただけなのでタイムは平凡。
結局、100m走トップはスタンに決定した。そのスタンは、賞品の安眠まくらにホクホク顔だったとか。
続きます。
ここぞとばかりに、目立たぬキャラを使います(爆)
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