TOE小説
「セイファート高校」第23話
〜競技は進む〜




100m走が終了し、続いての競技は2人3脚。
賞品が好きな指輪と言うことで、参加者のほとんどが女子であった。


基本的なルールは100mと同じく、100mを2人3脚で走り抜けばOK。
もちろん、時間停止以外のどんな手段を使っても良い。


「おいキール、1組目が凄いかもしれないぞ・・・。」
「何?・・・確かに。コースが原型を留めていればいいが・・・。」


その1組目は・・・ファラ&リリス、メルディ&コリーナ、ミント&アーチェ、ルーティ&フィリア。
・・・キールの危惧は、現実になるかもしれない。


そんな心配をよそに、スタート。


「ヘっへ―ん!あたしが早いもんねー!」


ミントを後ろに乗せ、自慢の箒で一気にゴールを目指すアーチェ。これは速いか・・・?


「ちょっとルーティ!どうにかしてよあの小娘を!」
「解りましたわ。フィリアボム!」


フィリアが自慢の劇薬を投げつける。だが、ア−チェもひらひらとそれを避ける。


「あったらないよ―だ!あたし達が一位かな!」
「ディレイ!」


唐突にメルディが晶霊術を放った。途端にアーチェの箒のスピードがとろくなる。


「ちょ、ちょっと!時間操作って禁止じゃないの!?ねぇ、審判!」


勝敗を決めるのは完全中立の教頭だが、審判なんてものはいない。(え!?)
どっちにしてもディレイは時間を止めるわけではないので、全く問題はなかったりする。


「アー、もう遅い!もういいよ、ミント、走ろう!」
「・・・初めから、そのようにすればよかったのではないでしょうか?」


冷めた雰囲気のミント。どうやらアーチェに無理矢理参加させられたらしい。


「うーん、いい感じ!このまま行けばきっと勝てるわね!」


やり取りのうちにトップになったリリスが嬉々として言う。ファラも、ほとんど勝利を確信している。
だがそのとき、唐突に2人の足が止まった。


「や、やだ、なにこれ!ねばねばする・・・!」
「これは・・・とりもち?」


「ふっふっふ、こんなこともあろうかと事前にあたしたち以外のコースにはとりもちを仕掛けておいたのよ・・・。」


流石はルーティ、極悪非道・・・。


「生憎だけど、あたしがトップを頂くわ!」


と、ルーティ&フィリア組がトップに踊り出た時。


「サンダーソードっ!」


リリス、怒りの一撃。だが、ルーティはギリギリで避けた。


「残念だったわね!これで終わ・・・」

「開け、虚空の扉!!」


不吉なセリフ。と同時に空中に巨大な剣が現れた。


「だぁっ!メルディが闇の極光術モード(謎)になってる!」
「リッド、止めてこい!クレーターが出来る!」

「ここでいい!極光波!」


リッドが真の極光術を放つ。闇の極光による剣は受け止められ、霧消した。


「ワイール!メルディたちが一位な!」
「やったです!凄いです、メルディさん!」


全員が呆気に取られている間に、メルディ&コリーナ組がゴールした。・・・確信犯か?


「キィィッ!何でとりもちに引っ掛からなかったのよ!」
「ファラさんたちのを見てて、どこにあるかは解ってましたから。」
「E・Fの間にグレイヴで使い物にならなくしたな♪」


・・・やっぱり確信犯か、メルディ。
2人は、お揃いのテクニカルリングをもらって嬉しそうに応援席へと戻った。


他の参加者は、腰を抜かして棄権してしまった。


















続いては綱引き。全員参加の学年対抗競技。ルール・・・何でもあり。
1回戦は、1年生VS教師連合。


「・・・教師連合って、あれしかいないのか?なら一年でも勝てるだろう・・・。」


冷静にキールが分析する。見た限りでは、教師連合は十数人しかいない。一年生は100人ほどいる。


「じゃノーム先生、いつものお願いね。」
「わかったよおう。みんな―!こー―い!」


初登場のノーム先生がサモンフレンズを行う。地中から、ミニサイズのノームが大量に出現した。


「では、両チーム位置について・・・。」
「ちょ、ちょっと待て!人数調整なんかは・・・しないか、この学校は・・・。」


解っているじゃないか、キール君。


「レディ・・・ゴー!」


両チーム、一斉に綱を引く。
だが、圧倒的に教師チームの人数が多い。しかも、最後尾ではイフリート先生が綱を握っていた。


因みにこの綱、完全耐火耐水耐衝撃耐磨耗(どんな材質だよ)


「そこまで!教師連合チームの勝利です!」

妨害を仕掛ける間も無く、教師陣が勝利した。賞品は学食のクーポン券30000ガルド分を山分け。


2回戦。2年生VS3年生。


「・・・勝てる気がしないな・・・。」


クレスの弱気な発言。


「だいじょぶ!あたしが魔術でちょちょいっとやっちゃうよ!」
「クーポン券といえど金は金よ。あたしも協力するわ。」


・・・言わずとも解るが、アーチェとルーティである。
クレスと、その近くにいたスタンが肩を落とした。


一方の3年陣。


「ふむ。今年の2年は術使いが多いな・・・。」


最前列に陣取るマローネ会長。


「クラース、今年もあれを頼むぞ。」
「・・・あれか?了解したよ・・・。」


うんざりしたように頷くクラース。


「では始めます。レディ・ゴー!」
「インデグニション!」
「タイダルウェーブ!」
「では私も・・・フィリアボム!」


いきなりアーチェ、ルーティ、フィリアが攻撃に移る。
3年チームの約半数が吹っ飛んだ。・・・半数で済むのか?


「クラース!」
「行くぞ・・・。グレムリンレアー!更に・・・プルートっ!」


クラースが召喚術を唱える。
禍々しい空間の歪みが現れ、そこから子悪魔達がわらわらと、そして黒い炎を纏った魔界の王が出てきた。


「クラースさん!今年は禁呪法使うんですか!?」
「去年はルナだったが、彼女はかなりランダムに攻撃するから危ない!その点コイツらは狙って攻撃できる!」


そういう問題か?というよりこの2術もランダム性は高いぞ?


グレムリンたちは攻撃し、プルートは攻撃しつつ綱引きに参加している。


「す、凄い力じゃないかあいつ!?」
「クラースさんは魔界に友達が結構いるんだ。あのプルーとはその王だし・・・。」
「魔界の王って・・・(汗)」


こめかみに汗を流すスタン。その間に、2年チームは人数で勝っているのにじりじりと引かれている。


「スタン!何やってるのよ!負けちゃうじゃない!」
「じゃあお前もこっちに参加しろよ!」


文句を言うルーティだが、決して綱引きには参加しない。


「・・・そこまで!3年チームの勝利です!」


審判の声が響き渡る。


「まだまだだな。もう少し修行を積むといい。」


こちらは最後まで綱引きに参加していた会長。
その他、残っているのは・・・ウッドロウやレイスなど、実力のある面々。

そのメンバーでクーポン券を山分けしたから、それなりの額が行き渡っているだろう。


余談だが、ロエンはインデグニションの直撃を食らって早々にリタイアした・・・。


続く。




最終的に、ロエンはこういう役回りのようです(酷)
・・・言っておきますが、作者はロエン嫌いじゃないですよ?(笑)



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