TOE小説
「セイファート高校」第32話
〜仕掛け屋敷〜
前回の続きです。
地下5階。
「この部屋なんだ?」
チェスターが踏み入ったのは、中心に大きく?マークが描かれている部屋。・・・怪しい。
「・・・乗ってみっか。」
「チェスター、迂闊だぞ・・・!」
クレスの制止も虚しく、チェスターは?マークの上に乗ってしまった。
『なぞなぞです。』
「えっ?」
『板の上に止まる蝶は?』
・・・3秒経過。
「・・・チェスター?」
「いや、わかんね。」
『・・・時間切れです。』
クリミナルとマーダーが降ってきた。
「・・・ちぇすたぁ・・・。」
「悪ぃ悪ぃ。さ、やるぜ!」
悪びれた様子ゼロ。この後またなぞなぞを答える所があったが、チェスターは完全に取り押さえられた。
因みに・・・先程の答えは、「ほうちょう」です。解りますよね?(笑)
地下4階。
「・・・大きい樽だな・・・。何が入っているんだ?」
クレスが覗き込む。・・・その頬を、ラピッドバルカンが掠めて飛んだ。
「・・・クリミナル・・・ひょっとして、出れない?」
その通り。クレスは、あえて見なかったこととした。
別の部屋では。
「あら、冷蔵庫・・・。こんな所に・・・?」
ミントが、冷蔵庫を開ける。・・・中には、マーダー。
「・・・あの、狭くないですか?」
「・・・・・・(頷く)。」
しかも、そのマーダーははまって動けない。即ち、冷蔵庫から出れない。
・・・ミントは、マーダーを助けることとなってしまった。
また別の部屋。
「クラース、何だこりゃ?」
「さぁ・・・見たことも無いな。」
何かの機械らしきものに近づく2人。すると。
「・・・何か、出てくるな。」
「あぁ。出てくるな。」
機械の外装をこじ開けて、頑張って出てこようとするのは・・・クリミナルの腕。
「・・・大牙!」
クリミナルの腕が吹っ飛んだ。もう出てこない所を見ると、機械の中で機能停止したらしい。
「何だったんだ?」
「さぁな・・・。」
地下3階・・・は仕掛けが無いから端折って(をい)、地下2階。
「よし、この階も楽勝だな!」
クレスがアヒルでドアを開き、そこまでの階段を意気揚揚と登っていた、その時。
「わっ!」
急に階段が引っ込み、急勾配の坂となった。バランスを失ったクレスは、下まで滑り落ちる。
「クレスさん、大丈夫ですか?」
「大丈夫。でも・・・どうやって登ろうか?」
しばし、考える。するとクレスが動いた。
「・・・鳳凰天駆!」
鳳凰天駆で飛び上がり、坂道を飛び越えようと言う魂胆か。だが・・・。
「・・・あたっ!」
さして高くなかった天井に頭をぶつけた。
「・・・アホ。次は俺の番だな。いくぜっ!」
チェスターが弓を射る。どこから取り出したのか、矢にはロープが結んである。
「よし、壁に刺さったな。これで登るぜ・・・」
チェスターが登ろうとしてロープを引っ張った所、簡単に矢が壁から外れた。
刺さったのは、鏃のほんの先端だったらしい。
「っの野郎・・・あれ?」
急に階段が元に戻った。
「2人とも何をやっているんだ?」
「クラースさん?」
「仕掛けを解いて来た。これで普通に通れるぞ。」
そう言うと、さっさと脇を通り過ぎて先に行くクラース。
「なぁクレス・・・。」
「なんだい、チェスター・・・?」
「俺たちって・・・ひょっとして、バカか?」
地下1階。
「この本は・・・?」
ある部屋に入り込んだクレスが見つけたのは、「世界のアヒルちゃん大集合」という本の第3巻。
「何だそりゃ?」
「・・・さぁ・・・。」
チェスターが寄ってくる。クレスはページを開く。
「・・・おっ?これは「冒険王アイフリード」。ベストセラーがこんな所に。」
別の本を取ってクラースが言う。ベストセラーだったのか、その本は?
「あっ、これは「アイフリードに花束を」の第5巻!本屋さんに無かった本がこんな所に!」
また別の本を取ったミントが狂喜する。・・・彼女は、恋愛小説のマニアである。
「・・・この本、結構面白いね。」
「そうだな・・・。俺も別な奴取ってこよ!」
しばし、ページを開く音のみが響く。
30分後・・・。
「・・・こんなことしてる場合じゃない、早く先に進まないと・・・。」
クラースが思い出したように言う。いや、むしろ今思い出した。
4人はいつものようにアヒルでスイッチを押して、階段を登ろうとする。すると、警報が鳴り響いた。
「な、何だ!」
「クレス、上だ!」
チェスターの言葉と同時に、咄嗟に後ろへ飛び退くクレス。次の瞬間、巨大な機械兵・・・ガーディアントが降りてきた。
「こいつを倒せって事だな・・・!先手必勝、魔神剣!」
クレスがまず剣圧を放つ。だが、ガーディアントはそれを軽く避ける。逆に、バルカンを乱射してきた。
「わわっ!」
「こいつ!避けてみろっ!」
チェスターが上空に無数の矢を放つ。彼の弓技の1つ、驟雨・・・だが。
バラバラバラ・・・。
「し、しまった・・・。」
天井に当たり、無残になって落ちてきた。その間にガーディアントはあらぬ素早さで接近し、チェスターに膝蹴りを喰らわせる。
「げっ・・・!」
「チェスターさん!」
ミントが駆け寄り、即座に法術の詠唱に入る。
「くそっ・・・秋沙雨!」
連続突きを浴びせるクレス。ガーディアントは、手にしている大剣で防ぐものの、傷を付けられる。
「・・・機械なら、これで!襲爪雷斬!」
ガーディアントを蹴り上げつつ剣を上段に構える。そして、落雷を伴う斬撃がガーディアントを襲った。
「・・・何っ!?」
斬撃を受けたガーディアントだったが、全く堪えていない。振るってきた剣を、クレスは何とか受け流した。
「クレス、そいつの弱点は火、水、氷だ!どうにかしろ!」
「どうにかって言ったって・・・。」
スペクタクルズを使ったらしいクラースの声を受けながら、クレスは攻撃を避けつづける。
「・・・クレス、どけ!紅蓮!」
いつの間にか復活したチェスターが、炎を纏った矢を放った。命中した矢が、ガーディアントの動きを僅かに止める。
「よし、今だ・・・!」
クレスは剣を斜め下段に構え、集中を始める。
「喰らえ・・・虚空蒼破斬!」
クレスがエターナルソードを横薙ぎに振るうと、名の通り蒼い衝撃波がガーディアントを斬り荒んだ。
「・・・・・・。」
その一撃で、ようやくガーディアントは沈黙したようだ。
「・・・やれやれ・・・。」
クレスたちは、ようやく地下から脱出しようとしていた。
切る予定じゃなかったんですけどねぇ・・・。
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