TOE小説
「セイファート高校」第33話
〜整備士チャット〜
「・・・やっと戻ってこれた・・・。」
ガーディアントを倒したクレスたちが階段を登ると、そこは始めの部屋であった。
「でも、整備士さんはいませんでしたね・・・。」
「ったく・・・見つけたらとっちめてやる。」
チェスターがそう息巻いている所へ、子供の声がかけられた。
「ご苦労様。貴方達は合格です。」
『ヘっ?』
4人とも、一斉に声のした方を向く。
「アイフリードのトラップを全て潜り抜けるとは、中々の知力と体力、そして時の運でしたね。」
「・・・何だ?坊主。お前、ここの家の子か?整備士はどこだよ。」
チェスターが、現れた子供に対して不良のような口調で近寄る。
「僕の名はチャット。かの有名な大海賊、アイフリードの子孫です。
・・・因みに、僕の性別を考えると、坊主と言うのは相応しい表現ではありませんね。」
その言葉の前半でクラースが、後半で他の3人が驚いた。
「アイフリードの子孫・・・!?」
「・・・女ぁ!?」
驚く4人を見ながら、チャットは改めて話し始める。
「・・・今日はバンエルディア号の整備でしたね?連絡は受けてますよ。どこに泊めてありますか?」
「あ・・・この近くの海岸線に。」
「解りました。では、船をドックに格納しましょう。ついて来て下さい。」
と、チャットが奥の部屋へと入る。クレスたちも後を追う。
「これを、こっちへ。それで、これをこう・・・。」
チャットが部屋のオブジェを動かすのを、訝しげに見る4人。
「これで・・・。」
最後に、チャットが部屋に掛かっていた絵画を横に倒す。すると、部屋の真ん中にあったテーブルが引っ込み、そこに隠し階段が現れた。
「僕が、作りました。」
『・・・。』
自慢気に言うチャットの言葉にも、はぁ・・・としか返せない4人。彼女は憮然としつつも、階段を下りる。
「ついて来て下さい。この下がドックなので。」
その言葉に、クレスたちはチャットの後を追った。
「暗いな・・・何にも見えねぇぞ。」
「ちょっと待って下さい。」
チャットが、近場のコンソールに向かう。カチ、と言う音と同時に灯りがついた。
「ほぉ・・・だいぶ広いドックだな。設備もいい。」
「解って頂いて光栄です。では、バンエルティア号をここに呼び戻しますか。」
「えっ、呼び戻すって・・・?」
クレスの疑問には応えずに、チャットはまたコンソールの別のスイッチを押した。
一方その頃、バンエルティア号。
「・・・・・・(遅いな)。」
留守番として残っていたシャドウが、一言も喋らずに待っていた。
「・・・。」
一見すると、寝ているように見える。だが、彼は起きている。一応。
「・・・・・・(様子を見に行くか)。」
そう思ったシャドウがブリッジから降りようとしたその時、船が物凄く揺れた。
「・・・何っ・・・ぐァ!?」
揺れで思いっきりバランスを崩したシャドウは、壁に思いっきり頭をぶつけた。
「・・・・・・!」
彼は常にマスクを着けているが、それは兜と一体化している。そんな状況で頭を打とうもんなら、傷は無くとも衝撃は相当なものであろう。
「・・・!・・・・・・!」
揺れながらバンエルティア号はドックへと向かう。シャドウは、何度も頭を強打しながらの移動となった・・・。
「・・・そろそろ来ますよ。皆さん、気をつけてください。」
「気をつけるって・・・どういうこと?」
と、クレスが言った直後。バンエルディア号が物凄い勢いでドックに入ってきて、水飛沫を上げた。
「うわあっ!?」
「きゃっ!?」
「おわわっ!?」
船が入るであろう水場の近くにいたクレス、ミント、チェスターがずぶ濡れになった。
「では、船の整備に入ります。皆さんは、上の部屋で待っていてください。なんでしたら、シャワーもありますよ。」
と言いつつ、チャットはバンエルティア号へと乗り込んだ。
クレスたちは階段を登り、言われた部屋で休むことにした。
「でもよ、クレス。ほんとにあんな子供に整備なんてできるのかよ?」
「さぁ・・・。」
「でも、会長の紹介ですから・・・。」
「とにかく休もう。私は疲れたよ・・・。」
2時間ほどが経過。クレスたちは、チェスターが持ってきていたウィスで時間を潰していた。
「皆さん、お待たせしました。整備が完了しましたよ。」
そう言いながら、チャットが部屋へ入ってきた。
「あ、ありがとうございます。・・・調子が悪かった原因って、何だったんですか?」
「部品の老朽化ですね。これは請求書です。会長さんに渡しておいてください。」
紙切れをミントに渡す。
「解りました。渡しておきます。」
「なぁ、あんたはどうして俺たちをあんな迷宮へ引きずり込んだんだ?」
チェスターが言い寄る。チャットは悪びれた様子も無く言い放つ。
「僕は将来、アイフリードのような大海賊になります。優秀な子分は、つきものでしょう?」
「・・・俺たちは、お前の子分になんてならねぇからな。」
多少(大分?)の怒りを込めつつ、チェスターは部屋を出て行った。
「そういえば・・・。」
帰り道。バンエルディア号の舵を取っていたクレスが思い出したかのように言う。
「ん?どうした。」
「シャドウ先生は?」
「あぁ、シャドウ先生なら・・・。」
その頃、医務室。
「シャドウ先生・・・大丈夫ですか?」
ミントの呼び声にも、ぴくぴくしてばかりで反応しないシャドウ。
その兜は、ひしゃげるほどにぶつけた後があったとか・・・。
う〜む、何だか・・・。
予告ですが・・・次回、多分D2キャラを使います(爆)
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