TOE小説
「セイファート高校」第38話
〜後半戦〜




「向こうに、前半はいなかった選手がいるな・・・。」


後半開始直前に、クレスが呟く。リムルのことである。


「大丈夫だよクレスさん!うん、後半も大丈夫!イケる、イケる!」
「・・・あぁ、勿論だ!」


近くにいたファラが根拠の無いエールを送るが、クレスは馬鹿正直に受け止めた。


「・・・後45分か。それで終わりだよな?」
「そうだね。後、ロスタイムが数分あって、もし同点なら延長戦・・・かな?」


リッドのもう帰りたい宣言(笑)に、やや前に出ているプリムラが応える。


「よし!皆、この45分で決めるぞ!」


珍しく、リッドが叫ぶ。ファラ以外のセイファート校イレブンは、大きく呼応した。


「(リッド・・・頭でも打ったのかな?いつもならもう帰りたいって言うはずなのに。)」


流石は幼馴染、なかなか酷いファラの考えだった。















一方こちら、フォルトゥナ校サイド。


「そろそろキックオフだ!皆、頼むぞ!」


むやみに高いカイルのテンション。だが、その声にフォルトゥナ校イレブンも応えた。


「・・・あれ?ハロルドは?」


DFの位置についていたナナリーが、ハロルドがいないことに気付く。


「・・・さっき出て行った。」
「ハァ?もう試合始まるんだよ!?」
「『10分で戻るから。それまで10人で頑張ってちょ』・・・だそうだ。」
「ハロルド・・・一体何をやっているのかしら。」


ジューダスが応え、リアラが心配そうな声を上げる。・・・いや、不安そうな声か。


「ハ!1人少なかろうが関係ない。この俺が!やつらをギタギタにしてやるぜぇ!」


バルバトスが無意味に咆える。その横では、リムルが丹念に準備運動をしていた。


「・・・よし、OKね!」


と、リムルが立ち上がった直後。ホイッスルが鳴り、後半戦が始まった。



















後半、まずはファラがボールを拾った。


「よっし、行くよ!リッド、クレスさん!」


セイファート校のFW3人が、同時に走る。それに応じて、MFのプリムラとレイスも前に出てきた。


「そう何度も、やらせるか!」
「へっ、ここは通さねぇよ!」


ファラの前に、カイルとロニがまず立ちはだかった。


「飛揚翻歩!」


ファラの流れるような動き。カイルとロニが気付いた時には、既にファラは彼らの背後にいた。


「残念でした!これで2人!」
「・・・まだ!」


浮かれるファラの目の前に現れたのはリムル。


「なら、もう一度飛揚翻歩!」
「甘い!デルタレイ!」


再び避わそうとするが、リムルがそれに反応して光弾を放ってきた。


「きゃっ!・・・リッド、お願い!」


ファラが、何とかリッドにボールを渡す。だが、彼の前には早くも回りこんでいたカイルがいる。


「行くぞ!」


果敢にスライディングを仕掛けるカイルだが、真正面からでは簡単に避けられる。
リッドは軽く横に動いた・・・が、その時。


「アクアスパイク!」


カイルに隠れて死角となっていたリアラが、高速回転する水弾を放った。リッドに直撃する。


「・・・っぷ・・・。」
「リアラ、ナイス!」


吹っ飛ばされるリッドを尻目に、カイルがボールを奪う。そのままドリブルに移る。


「やってくれるね。だが、私を抜けるかい?」


カイルの目の前に立ち塞がったのは、レイス。


「受けてみたまえ・・・爪竜斬光剣!」
「受けてたつ!・・・やっぱり、デルタレイパスだっ!」


カイルがレイスの攻撃を避け、デルタレイに乗せてロニにパスを送った。


「おし・・・・って待て!何でデルタレイと一緒にパスすんだよ、このバカカイルーっ!」


ロニはパスを受けられず、デルタレイだけが直撃する。こぼれたボールを、プリムラが拾った。


「前半のあれ良かったわよね・・・私もやろっと。火晶霊よ、私に力を!ファイアボール!」


プリムラが晶霊術と合わせてロングシュートを放つ・・・が、ただのロングシュートである。しかも、届かない。


「ふっ、甘いな!」


こぼれ球をガープが狙う・・・が、その時。


「待ちなさーい!」


ファラが、物凄い勢いで走ってきた。・・・いくらファラでもありえないほどの速さで。


「ファ、ファラ!?」
「ん?リッド、呼んだ?」


逆サイドに走っていったファラに思わず声を発したリッドだが、その返事は後ろからした。


「へっ・・・ファラ!?」


目の前にいるファラと、逆サイドでガープからボールを奪ったファラ。


「ファラが・・・2人いる!?」


続く。




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