TOE小説
「セイファート高校」 第8話
〜ラシュアンの・・・〜




リッドたちが入学してからしばらく経ち、そろそろ学校の生活にも慣れてきた。
そんなとき、セルシウスがホームルームであることを話し始めた。


「みんな、知らないと思うけど明日はセイファート高校恒例の遠足があるから。準備を怠らないこと。」


唐突な。
生徒たちの間に、幾度目とも知れぬ動揺が走った。


「センセー!遠足って、どこに行くんですかー?」


生徒の一人が、質問をする。


「インフェリア、レグルスの丘よ。一泊するから・・・遠足というよりも、キャンプかしらね。」


初めからそう言え。


「レグルスの丘・・・か・・・。」


ファラが、暗い表情になる。
それと同時に、リッド、キールの2人も浮かない表情となった。


「遠足のおやつはいくらまでか?」


と、お約束を聞いたのはメルディ。
3人の様子なんざまるっきり気にしちゃいない。気にしてやれよ。


「一応、300ガルドまで。でもそんなの持っていく余裕なんてあるのかしら?」
「どういうことか?」
「そこでの食事は自炊・・・。しかも、材料は自分自身で持ってこなければならないのよ。」
「・・・もし材料を忘れたらどうなるか?」
「その場合の選択肢は4つね。
近くのラシュアンの村まで買出しに行く、食事抜き、モンスターを倒して調達する、他人から奪う、の4つよ。」


キャンプを超えたサバイバルかもしれない。ある意味。 そんなこんなで(どんなだ)話は終わり、放課後となった。


「・・・はぁ・・・。」
「・・・?ファラ、どうかしたか?」


放課後になっても帰ろうとしないファラにようやくメルディが気付いた。


「ファラ・・・?」
「・・・あ、あぁ、メルディ、何?」


ファラも、ようやくメルディの声に気付いた。


「ファラ、なんだか元気ないよ。一体どうしたのか?」
「そ、そんなこと無いよ。う、うん、私は、元気元気!」


見事なほどの空元気を見せるファラ。メルディの表情まで、暗くなってきた。


「ファラ、帰らねぇのか?キールも待ってるぞ。」
「あ、うん、今行く・・・ちょっと、メルディ?」


メルディが、ファラの服の裾を引っ張っている。


「どうして元気ないのか?教えてもらうまでは帰さないからな。」


メルディのその態度に、ファラも困り果ててしまった。


「・・・解ったよ。話すから・・・ね?」
「どうしたんだ?2人とも遅いじゃないか・・・。」


転送装置で待っているはずのキールが、いつの間にか教室まで戻ってきていた。


「あ、キール・・・。」
「キール!キールも知ってるのか?ファラが暗くなってるわけ。」


そのメルディの言葉に、キールは言葉をすぐには返せなかった。


「俺が話す・・・。メルディ、よく聞けよ・・・。」
「その話、私も混ぜてくださいです!」

「コリーナ!?」


リッドが話し始めようとしたところに、突然コリーナが乱入してきた。


「私も気になっていたんです。作者がそう書かなかっただけで。」


・・・悪かったな。


「まぁ、いいさ・・・。・・・これは、俺とファラとキールがまだ子供だった頃の話だ・・・。」




















「よぉ、ファラ。今日は何して遊ぶんだ?」


ここはレグルスの丘。
厳重に閉ざされている入り口の前にいるのは、ファラ、リッド、キールの3人。


「今日はね、この丘の奥まで行って、星のカケラを取ってきて!競争だよ!よーい、ドン!」
「おっ先ぃ!どんくさキール!」
「あ、待ってよ!」


ガシャン。


「ここは入っちゃいけないから、入り口は閉まってるって言おうとしたのに・・・。」


ノビたリッドに言うキール。


「ファラ、ここは鍵が掛かってて入れないんじゃ・・・。」
「ジャーン!お父さんのところからこっそり鍵借りてきちゃった。」


首にかけてある鍵を見せびらかすようにすると、ファラは扉の鍵を開けてしまった。


「さぁ、星のカケラを取ってきて!競争だよ!」
「で、でもここは危ないから入っちゃいけないって・・・。」
「いーの!村長の娘がいいって言ったら、いいんだもん!」


その大声で、キールは怯えた。


「今度こそお先ぃ!」
「あ、待ってってば!」


2人の少年は走り去っていった。
会話が足りないのは、作者が覚えてないためである(・・・ゴメンナサイ(爆))














レグルスの丘、深部入り口の洞窟。


「ダメだ、キール。どこにも星のカケラなんてありゃしねぇ。」


送れてきたキールに対して、諦め・・・というより、飽きたようなことを言う。


「うーん・・・!ねぇリッド!この石、ピカピカ光ってるよ!」
「でたらめ言うな!見せてみろ。」


キールが差し出した石を、リッドがひったくるようにして受け取る。
確かに、星のような輝きがその石にはあった。


「やりぃ!これを持って帰れば俺の勝ち!」
「あ、ずるいよ!僕が見つけたのに!」
「見つけたほうじゃなくて、先に持ち帰った方の勝ちなんだよ。じゃあな。」


と言い捨ててリッドが外へ戻ろうとしたとき。


「お前達!」
「あっ、ファラのおじさん・・・。」


そこに、当時のラシュアン村村長にしてファラの父親であるノリスが立っていた。


「ここがどういう所なのか解っているのか?この奥には恐ろしいものが封印されているんだぞ!」


ノリスの剣幕に、リッドとキールは竦みあがった。


「・・・事情はファラから聞いた。今すぐ村へ帰るんだ!今度またやったらたっぷりお仕置してやるからな!」


その言葉に、リッドとキールは逃げるようにして洞窟の入り口まで走った。
・・・いや、キールはそこを動かないノリスの様子が気になって足を止めた。


「おじさんは?」
「・・・念のため、異常が無いか見てくる。」


そう言うと、ノリスは洞窟の奥へと入っていった。
キールはそれを見届けると、リッドの後を追って洞窟を後にした。








「封印が・・・いつの間に!」


ノリスが、封印の間へ入ると、そこには砕け散ったリバヴィウス鉱の欠片が飛び散っていた。

そして、ノリスに黒い気が纏わり突く・・・。


「こ、これは・・・ぐわぁ――――!!」


それきり、ノリスの意識は無くなった。




















「・・・黒いお化けだ・・・。」


リッド達が村へ戻ってきてからしばらくして、ノリスと思われる人物は帰ってきた。


「・・・っプ、ふ、はははははははは!!」
「ノ、ノリスさん、どうしたんですそのカッコ・・・っぷぷぷ・・・。」


村が、爆笑の渦に巻き込まれた。
無理もあるまい。ノリスは、お化けの格好をしているだけなのだ。

具体的な説明をすると。上半身が裸で、腹には大口・・・の絵。
靴を履いていたはずなのだが、何故だか裸足。
一応、お化けのように振舞ってはいるのだが、元々真面目な人物だったために尚更笑いを誘う。


「はっはっはっは・・・・あっ!やばい、暖炉の火が!」


村人全てが笑っていたため、あまり暖炉などに気を配れなかった。
その間に、突然ある家の暖炉が暴走して火事となった(爆)
しかも、どんどん飛び火する。あっという間に、村中に火事は広まった。


「火事だ、火事・・・早く消さないと・・・ひははは!」
「笑ってる場合じゃ・・・ぷははは・・・。」


消火作業もおぼつかない。火事は、更に大きくなりそうだった。
しかし、ノリスはそれでもお化けのコスプレを止めなかった。





こうして起きた事件。人はこれを、「ラシュアンの悲喜劇」と呼ぶ―――。



















「・・・と、いうことがあったんだ。」
「僕らはまだ7歳かそこらの子供だったんだ!仕方なかったんだよ!」


リッドが話し終わると同時に、キールが叫んだ。


「そんな悲劇があったんだな・・・。」
「で、でもリッドさんたちは恐ろしいものが封印されてたなんて知らなかったんですよね?」


コリーナが、切なげな表情で話し掛ける。


「そうさ。あんな恐ろしいものが封印されてたなんて・・・。」
「私は知ってた!」


キールの言葉をさえぎったファラの叫びは、その場にいた全員をファラに注目させた。


「どういう・・・意味だ?」
「父さんの見回りについていったときに、ここには恐ろしいものが封印されているって聞いていたんだ・・・。
恐ろしいものが封印されていることを知ってて、リッドとキールを行かせたんだ。・・・星のカケラが欲しかったから!」


ファラの悲痛な声に、誰も口を聞けない。


「ファラ。もういいんだ、頑張ったな。」


リッドが、今にも泣き出しそうなファラに優しく言う。」


「俺たちは、あの事件のことを子供の頃の過ちだとして忘れることができた。
でも、ファラの傷はずっとかさぶたにならなかったんだ。10年、だぜ?
それを今日、俺たちにさらしたんだ。遠足に行くために!・・・もう、十分償ったろ。」


何か・・・違うぞ、リッド。


「ファラの考える遊びは、いつも楽しかった。嘘じゃない。
おっかない時もあったけど、ファラは僕たちのリーダーだったんだ・・・。」


キール・・・その台詞は、この状況じゃ合わない・・・。


「リッド、キール・・・。」
「ところで・・・一つ聞いてもいいか?」


メルディが、遠慮するように訊ねる。


「ファラのオト―サンは、無事だった・・・のか?」
「ええ。でも、その数日後に死んじゃった・・・。
お風呂場で石鹸で足を滑らせて、角に頭ぶつけて・・・。


「そうなのか・・・。ごめんなファラ・・・。」
「いいの、気にしないで、メルディ。・・・もう、帰ろう。」


ファラが外を見ながら言う。
もう、すっかり暗くなっていた。


「そうだな、いい加減帰ろう。明日もあるし・・・あっ、しまった!」
「キールさん、どうしたんですか?」


突拍子も無いキールの声に驚いて、コリーナが訊ねる。


「明日の食材、まだ何にも買ってない・・・。」
『あっ・・・。』


場に白い空気が流れる。


「・・・ま、まぁどうにかなるよ。イケる、イケる!」


ファラのその台詞は、まさに空元気に過ぎなかった。





明日は、(サバイバル)遠足である・・・。




とりあえず言っておきます。 本当にすいませんでした(笑)


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